暴走死亡事故:加害者の御曹司は特別扱い、厳罰求め抗議する市民=中国杭州市

【大紀元日本5月13日】中国浙江省杭州市内で発生した暴走車が若い男性を死なせる交通事故を巡り、加害者は地元の企業経営者の御曹司を特別扱いした警察当局の事故調査結果に不満な市民らがこのほど抗議活動を起こし、加害者への法的制裁を求めた。

被害者の譚卓さん(男、25歳)は浙江大学の卒業生。市内のIT企業に勤めていた。

被害者の譚卓さん(大紀元資料室)

加害者の名前は胡斌、地元体育大学の二年生、富豪の御曹司。去年の杭州市F2チャンピオン。

5月7日午後8時20分ごろ、交通事故発生時、複数の現場目撃者によると、加害者が運転する赤色のスポーツカーは150キロ以上のスピードで、横断歩道を歩いていた被害者に衝突し、被害者は20メートル先まで飛ばされた。ブレーキ音はなかった。その後、加害者は車を降り、暴走族仲間の友人らと談笑しながら、「金で問題解決できる」などと話していた。

事故直後に車から降り、談笑する加害者とその仲間(大紀元資料室)

翌8日、杭州市の警察当局は記者会見を開き、加害者が運転する車は当時の70キロあまりのスピードであるとする上、死者は横断歩道にいたかどうかを確定できないとの調査結果を公表した。

市民の調べによると、インターネットで公表されている地元警察のスピード違反記録では、加害者が運転する車は、2008年12月、200キロあまりのスピードを出していた。

8日夜、警察当局の調査結果に不満を持つ千人あまりの浙江大学の大学生、市民などが抗議行動を起こした。抗議者たちは事故現場で追悼儀式を行い、地元政府に対し、加害者を法に基づいて裁くことを求めた。

市民らが自発的に事故現場で追悼儀式を行った(大紀元資料室)

5月10日母の日に行われた被害者の告別式では、1万人あまりの市民が参列し、当局に加害者への厳罰を求めた。

加害者の両親は事故3日後の9日、被害者の自宅に訪れた。被害者の母は彼らに対し、「三日間が経ったいま、あなたたちようやく顔を出した。私はあなたたちを許さない。自分の子どもをよく教育できていない」などと話した。

地元政府は現地メディアに対し、この一件を勝手に報道してはならない、官製メディア新華社の報道に準じなければない、との内部通達を出した。

告別式の会場(大紀元資料室)

                           

(記者・駱亜、翻訳編集・叶子)

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