千人有害ガス中毒185人入院、デモ防止600人警察出動=中国吉林省

【大紀元日本5月18日】今年4月末よりこれまでに少なくとも千人の従業員が体の不調を訴えた中国吉林省吉林化繊集団公司の集団ガス中毒事件について、当局衛生部専門家チームは5月14日、有害ガスが漏れていると疑われた吉林康乃爾化学工業有限公司(以下、吉林康乃爾社)に対する検査および空気中の各測定結果、有害化学物質の漏れはないと発表し、不調を訴えた従業員らは心理的なものだと示した。これに対して、吉林化繊集団従業員および付近の住民らは不満を示した。当局は民衆の抗議を防ぐために、15日早朝に600人の警察を出動し、吉林化繊集団周辺で待機した。

吉林康乃爾社は今年4月、有害化学物質アニリンを製造する中国最大級150トン製造設備を投入し製造を開始した。4月23日より、隣接する吉林化繊集団公司の従業員らが相次いで嘔吐、目眩、頭痛、吐き気、手足が痺れる、体がだるい等の中毒症状が現れ、同社上層幹部によると、5月14日までに少なくとも千人が体の不調を訴え、185人が入院し、ベッド数が不足しているため、数百人が点滴のみを受けたという。事件発生後、吉林康乃爾社は4月30日にアニリンの製造を中止した。

吉林康乃爾社は、元中国石油吉林化学工業有限公司双苯工場で、別名103工場。2005年に起こした爆発事件で負傷者70人、行方不明者6人、数万人が緊急避難し、広範囲にわたり松花江流域の汚染をもたらした。今回はアリニンの製造過程で空気中に排出する有毒ガスが基準を超えており、深刻な環境汚染をもたらしている可能性があるとみられた。

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