深刻な高齢化対応、条件に見合う2人目出産を奨励=上海

【大紀元日本7月27日】深刻化する高齢化問題の解決を図るため、中国上海では、指定された条件をクリアする家庭に対して2人目を出産することを応援する政策を実施する。上海市人口計画生育委員会の先週の発表によると、上海は条件にあてはまる2人目の出産を奨励している。条件としては、夫婦のいずれもが一人っ子であれば、その夫婦は2人目の子供の出産が認められるなど。

上海では、11年連続で人口が減少している。上海市人口計画生育委員会が公表したデータによると、08年、上海戸籍を持つ60歳以上の人は300万5700人で、上海戸籍人口の21.61%を占め、高齢化率はすでに、日本、スイスなど高齢化率の高い国に迫る勢いだ。2030年には、上海戸籍人口の半数以上が65歳以上になる見込みだという。

公表された新たな「上海市人口・計画出産条例」では、2人目の出産が許可されるケースとして、都市住民に9つ、農村住民に12のケースを規定した。

一方、2人目の出産条件を満たしていないのに超過出産した場合、法律の規定により社会扶養費(罰金)を納付しなければならないと、同委は強調している。罰金金額は、低収入家庭の場合、出産年の前年度の上海市の平均家庭収入の3倍、高収入家庭の場合は前年度の実収入の3倍が科される。

同新条例に対して、多くの市民は「子育ては難しい、一人だけで精一杯、子供にいい生活をさせてあげられないなら産まないほうがいい」、「2人目の出産を考えたことはない、家賃や医療費、学費が高い」、「収入も社会保障も不安定だから」など本音を漏らす。

上海では2人目の出産を望んでいる家庭が多いが、実際に踏み切った家庭は少なかった。子育てにかかる巨額な費用がその原因と見られる。最新の調査によると、一人の子供を大人になるまで育てるには平均49万元(700万円)が必要となるという。

(翻訳/楊J)

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