台湾、20万頭の豚の死骸を急遽処分

【大紀元日本8月15日】台南県に大洪水をもたらした台風8号「モーラコット」で、20万頭のが溺死してから4日が経過。死体から悪臭が出始めた。新型インフルエンザの発生を危惧して、台南県の蘇煥智県長は地元住民の強い反対を押し切り、同県安定郷の埋却場で衛生指導に基づく埋却を決行。県政府は埋却所に連結する国道8号の交通を規制し、死骸運搬トラックに警察の護送車を付け、警察官約千人を配備して警備にあたった。

8日より台湾軍部が台南県へ救援しており、防疫服姿の関係者160人ほどが現在も豚の死骸処理にあたっている。郭伊彬・農業所長によると、清掃作業は8月13日に終了する見込みだという。

台南県内では学甲、麻豆、下営に養豚場が集中。洪水の被害が最も深刻な地区で、死亡獣畜(鶏・鴨・豚)の数は約150万にのぼる。台南県政府は、被災地の再建を考慮し、死骸処分を優先事項として、安定郷での埋却を即断。安定郷住民の強い反対にもかかわらず、12日、トラックが現地入りした。

医師の資格も持つ顔純左・台南県副県長は、死骸処理を怠れば腐生菌が皮膚組織に感染し、蜂窩織炎(ほうかしきえん)を引き起こす危険性があるとして、あらゆる障害を乗り越えても処分すべきであると主張し、埋却を勧告。

台南県環境保護局の江世民局長は、死骸埋却後に石灰を散布し土で覆い悪臭を遮る適切な埋却作業を実施していることを伝えた。安定郷の埋却場には不透水層が設けられており、汚水処理場も併設。2次汚染の防止施設が完備しており、道路の消毒で周辺環境の衛生面での安全は確保されると説明している。

一方、安定郷の埋却場周辺には、魚の養殖場が散在しており、何の相談もなく豚の死体埋却を強行した県政府に対して、地元住民は怒りを抑えきれず、トラックの通行を阻止する行動にでた。住民によると、排水路に赤く染まった水が流れており、石灰散布もされていないとのことで、悪臭と非衛生を懸念する声が高まっている。

(記者・頼友容、翻訳編集・余靜)

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