北朝鮮は新型インフル感染者ゼロ?

【大紀元日本11月7日】冬季を迎え、世界的に新型インフルが拡散している中、北朝鮮の中央テレビが4日、手洗いを奨励する番組を放送し、注目を集めている。韓国の聨合ニュースが伝えた。

番組は、かぜ予防に最も効果的で簡単なのは手をしっかり洗うことで、洗剤や石鹸で手についたウイルスを洗い落とすことにより、かぜの発病率を大幅に下げることができると報道。

中央テレビは、今世界的に猛威を振るっている新型インフルエンザについては言及していないが、新型インフルエンザの北朝鮮での拡散は念頭に置いているようだ。

現在まで、北朝鮮での新型インフルエンザの発生情報は出されていないが、往々にして北朝鮮のような貧困国で新型インフルが発生した場合、爆発的に拡散する可能性が高い。

世界保健機関(WHO)によると、10月17日現在、新型インフルエンザの感染者は約41万4000人で、死亡者は5000人に達すると推定。ただ、現在のところ、北朝鮮の新型インフルエンザの発病報告件数はゼロ。しかし、保健分野出身の脱北者の証言によれば、北朝鮮の閉鎖性を考えると、新型インフルエンザの感染者が出ても、それを隠ぺいまたは一般的な風邪として処理する可能性が高いという。

WHOのアパルック・バティアセビ広報官は、「普通の国では、新型インフルエンザに感染したら、症状が軽い場合には完治できる可能性が高い。しかし、北朝鮮で感染者が発生したという報告がないからといって、感染者が全くいない、とは断定できないため、北朝鮮も新型インフルエンザから安全であるとは言えない」と指摘した。

北朝鮮で薬剤師として働き、02年に脱北したイ・ヘギョン氏(40)は「90年代半ば、北朝鮮ではコレラが流行したことがある。当時北朝鮮当局は、それを急性の下痢だとして意図的に流行性の疾患を隠ぺいした。北朝鮮社会は疾病発生の事実を意図的に縮小する傾向がある」と指摘した。

(翻訳編集・明吉)
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