米オバマ大統領、訪中始まる 中国の国民から高い期待感

【大紀元日本11月16日】米オバマ大統領は15日深夜、中国の上海に到着した。今回は大統領就任後初めての訪中で、18日まで滞在する。事前に設けられた新華社のウェブサイト「大統領への質問コーナー」には、3千件におよぶ質問が寄せられるなど、中国国民からの注目度は高い。一部の中国人はオバマ大統領に対し、中国の人権問題の改善や言論の自由を促すよう期待している。

16日、オバマ大統領は上海市政府の韓正市長らと会談したほか、上海同済大学で大学生との対話集会を行った。VOA(ボイス・オブ・アメリカ)の報道によると、参加したのは上海名門の復旦大学と同済大学から厳選された学生たち。質問する内容は、事前に大学の政治監督部門で審査されていた。一方、在中国米国大使館のホームページに寄せられた「中国のネット検閲についてどう思うか」という質問を、会場にいた米大使が代わりに読み上げるなど、言論規制の核心をつく場面も見られた。

オバマ大統領はスピーチの中で、地球温暖化を含むグローバルな問題は、米中が協力して課題に取り組むことの重要性を強調した。その一方で、大統領は「我々の政治制度を押し付けるつもりはないが」と述べた上で、「表現の自由、信教の自由は普遍的権利」と断言。また、自由な情報共有について、「私は開かれたインターネット利用の強い支持者だ」と当局による検閲制度を批判した。また、台湾に関する質問に対しては、「米国は『一つの中国』を全面的に支持している」と述べる一方、台湾への武器売却については答えなかった。

対話の一部の内容は地元の上海テレビで報道されたが、全国ネットでは報道されなかった。

中国国民の期待感

多くの中国国民はオバマ大統領の訪中を歓迎している。北京の街角でVOAの取材に応じたある市民は、「とても歓迎している。これからも北京に来てほしい」と話し、また別の市民は、「(オバマ訪中は)とてもいいことだ。中国とアメリカの関係を良くしてほしい。そうすれば、いつも相手のことを警戒しなくてもすむから」と話した。

また、別の市民は、オバマ大統領に対して、中国の発展に力を貸してほしいと語る。「これからも、もっと中国に来てほしい。何か意見があれば、私たちに提案してほしい」と語った。

ネット上でも、オバマ大統領へ期待を寄せる意見が集中している。あるネットユーザーは、「私たちは、偉大なるアメリカ合衆国を世界民主主義の灯台とみなしている。米国が経済利益のために、世界平和や民主主義促進の責務を忘れることがないように願っている」と書き込みをした。また、米中関係のテーマは、中国の人権問題、ネット上の言論の自由、中国官僚の腐敗問題などに焦点を当てるべきだとの意見が寄せられた。

弱冠48歳で米大統領に上り詰めたオバマ氏は、中国の若者に人気がある。オバマ大統領の回想録『マイ・ドリーム―バラク・オバマ自伝』の中国語版は、今年1月の出版以来すでに10万部印刷され、ベストセラーとなっている。

(翻訳編集・張哲)
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