風を切って里帰り バイクで1400キロ走破した夫婦=中国

【大紀元日本2月7日】年の瀬(旧正月)が迫る中国では、1月30日頃から帰省ラッシュが始まっている。故郷への移動手段は列車、飛行機、長距離バスなど様々だが、旧正月の時期は20数億人もの人々が移動するため、切符を購入できない人も出てくる。そんな中、1400キロもの道のりを、バイクに乗って帰省した夫婦がいた。

年老いた親に子供を預け、5年前に重慶市近郊の農村から広州に出稼ぎにやってきた丁夫妻。ずっと働き詰めだったが、今年の春節には故郷へ帰り、久しぶりに家族と会う計画を立てていた。しかし、勤務先の工場や切符の販売所、またダフ屋などを回ってみたが、どこへ行っても切符が手に入らない。帰省の切符は、入手するのが非常に困難だった。

八方塞がりの中、ふとバイクを買って里帰りする人々の姿が丁夫妻の目に映った。丁夫妻は「これだ」と思い、早速バイクを購入。家族へのお土産を後部座席に縛りつけ、二人乗りで1400キロにおよぶ里帰りの旅が始まった。迷子にならないよう、GPS機能付きの携帯電話も新調した。

しかし、旅は順風満帆というわけにはいかなかった。乗り物に酔いやすい妻は、身体的につらい日々が続いた。また、妻は酔い止めの薬の副作用で強い眠気に襲われ、丁さんが急ハンドルを切った際、バイクから投げ飛ばされたこともある。幸い、擦り傷程度で、大事には至らなかった。

道中、二人は疲労困憊していたが、その他にも常に緊張を強いられる要素があった。それは、二人がいつ強盗に遭うかも分からない、ということだった。昨今、強盗が道に穴を掘って待ち伏せし、車が停車した隙を狙って、車中の人の金銭を奪う強盗事件が多発していた。町外れの場所を通る時は、前に不審者がいないか、後ろに疑わしい車がついてきていないかなどを常にチェックしながら旅を続けた。

旅を始めて三日目、二人は高速道路を走行中に、警察に止められた。バイクを降りた妻は開口一番、「三日も座りっぱなしで、お尻がしびれた」とぼやいた。夫の方は目を血走らせ、防寒着に埃だらけという異様な姿。二人の姿を見た警察は、どうもあやしいと感じてしまったようだ。

夜は格安ホテルに宿泊し、食事はカップ麺とお弁当だけという旅を三日間続け、ようやく故郷へ辿りついた丁夫妻。体重は、出発時より夫は4キロ、妻は2・5キロ痩せていた。しかし、苦難を乗り越えた末に辿りついた家族との再会に、丁夫妻の喜びは人一倍だった。

中国では帰省ラッシュが始まった。写真は、2月1日、安徽省合肥駅(AFP/AFP/Getty Images)

(翻訳編集・高遠)

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