「アジア最大の滝」水量4分の1に、珠江水源も断流 中国西南部の干ばつで

【大紀元日本3月25日】中国西南部の貴州省安順市に、水源が豊富で、18カ所もの滝が散在し、世界最大の滝群としてギネス記録にも認定されている黄果樹風景区がある。この中の黄果樹瀑布(滝)は中国一、アジアでも最大の滝として有名。しかし昨年から続く大干ばつにより、安順市にある河流とダムの9割が枯渇し、上流からの水が減少した影響で、黄果樹瀑布の水量が普段の4分の1に減少した。夜間に貯めた水を昼間に放水し、最低限の水量で滝の景観を守る対策がとられている。

大干ばつにより水流が減少した貴州省の有名な景勝地「黄果樹大瀑布」(ネット写真)

干ばつ前の黄果樹大瀑布。水煙が立つほど大量の水が流れ落ちている(ネット写真)

一方、長江、黄河、淮河などに次ぐ大河の珠江は、最上流の南盤江では連日の高温によって水が蒸発し、干上がっている。「広州日報」によると、珠江の源に位置する雲南省曲靖市は、百年に一度の大干ばつに見舞われ、水不足に喘いでいる。同省にある馬雄山のふもとには、幅30メートル以上、落差3メートル近くの滝があったが、現在は時折数滴の水が落ちるのみ。「珠江第一の滝」は見る影もなく、付近の川床は滝からの潤いを失い、草も枯れている。

珠江源流を支えとしてきた農作物の被害も深刻だ。「珠江源流第一の村」とされる雲南省沾益県にある村の秋まき作物も、収穫は絶望的。この先、1~2カ月雨が降らなければ、春まき作物も枯れると見られている。

(翻訳編集・坂本)
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