上海万博に反発、中国人直訴者が台湾へ 訪台中の上海市長に抗議

【大紀元日本4月8日】5月に開幕する上海万博の宣伝のため、台湾を訪れていた上海市の韓正市長の滞在先ホテルの前で、中国国内の直訴者団体が中国当局への抗議活動を行った。同団体は、万博開催を理由に当局が強引な土地収用を行ったと主張しており、「壮観な万博の裏には、大勢の市民の血と涙が隠されている」などと訴えた。

抗議の現場(大紀元)

中国各地の直訴者で結成された「中国冤民大同盟」の代表・瀋婷さんは、個々の陳情案件をまとめた「上海世界博覧会、世界の恥辱」という本を手にスピーチを行った。

同代表によると、同万博の会場用地を確保するため、上海市当局は大量の家屋を強制的に移転させたという。立ち退きを強いられた市民には、少額の補償金しか支払われなかった。移転同意書への署名を拒否する市民が中央政府に直訴を試みたが、監禁や拷問などの報復に遭ったという。「すでに3人が拷問を受けたり、不明な薬物の注射を打たれて死亡した。皮肉にも、万博に出展される商品の中には、これら直訴者が強制労働収容所で作製した製品も含まれている」と同氏は語った。

同代表はスピーチの最後で、中国の裏に隠されている現実に目を向けてほしいと述べ、「中国当局は、国民に対する迫害を止め、最も基本的な生存の権利を返すべきだ」と訴えた。

(翻訳編集・叶子)
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