上海万博の家屋強制取壊被害者ら、国連に陳情試みる

【大紀元日本4月19日】4月16日午前、中国人女性二人がニューヨーク国連本部に陳情を試みた。上海万博開催で家屋を強制移転させられた市民の代弁をするためだという。

二人は中国各地の直訴者で結成された「中国冤民大同盟」の代表・瀋婷さんと葛麗芳さん。

瀋婷代表によると、上海万博の会場用地を確保するため、上海市当局は大量の家屋を強制的に移転させたという。立ち退きを強いられた市民には、少額の補償金しか支払われなかった。移転同意書への署名を拒否する市民が中央政府に直訴を試みたが、監禁や拷問などの報復に遭ったという。「すでに3人が拷問を受けたり、不明な薬物の注射を打たれて死亡した。皮肉にも、万博に出展される商品の中には、これら直訴者が強制労働収容所で作った製品も含まれている」と語った同代表、被害者の状況を『上海世界博覧会、世界の恥辱』という本にまとめて出版したという。

国連前で、葛麗芳さんは自宅強制取壊の経過を説明、世界各国政府とメディアに中国当局の本質を見極めるよう訴え、あわせて家屋強制取壊の被害者を支援するよう懇願した。彼女によると、関連の直訴者は今ま、皆当局の監視下に置かれ、一部は身柄を拘束されているという。

二人は国連に陳情して、上海万博の被害者の現状と資料を手渡す計画だったが、前例がないとして受取りを拒否されたもよう。瀋婷代表は国際社会に対し、このようなの被害者の人権問題に関心を示すよう呼びかけた。

一行は4月2日、パリにある博覧会国際事務局(BIE)の前で陳情活動を行った。上海万博PRのため台湾を訪れた上海市長の日程に合わせて、4月4日には台湾でも関連の抗議活動を行ったという。

(記者・杜国輝、翻訳編集・叶子)
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