地震救済の僧侶を追払う 安定維持部隊が集結、チベット人の監視強化

【大紀元日本4月24日】中国青海省玉樹県で起きた大地震から7日目の20日、被災区は大雪に見舞われた。この日、チベット僧による犠牲者への祈祷と救済活動が引き続き行われていたが、政府に被災地から退去するよう命じられた。現地住民からの情報によると、大量の安定維持部隊が玉樹県に集結、チベット人の監視を強化しているという。近日中に、更に多くの部隊が被災区に集められるようだと伝えている。

玉樹県結古鎮の羅松(ロォソン)僧侶は20日、およそ4万人の僧侶が周辺の地区から救助活動のために被災区に集結していると伝えた。一方、政府は彼らに対して23日にまでに被災区を離れるよう指示している。しかし、多くの僧侶たちは救助活動を止めることを望んでいない。

「別の地区から来ている全ての僧侶は現地から退去させ、救助に参加させないという政府の通達があった。一部の僧侶は明日にも帰される」と羅松僧侶は話す。

安定維持部隊が進駐、「チベット独立分子」を監視

全国政治協商会議の賈慶林主席は19日、中央部門の会議で、今回の玉樹における救援活動は民族と宗教の要素が突出しており、国外の敵対勢力も活動に対して干渉や破壊を企てていると指摘した。

チベット女流作家の唯色さんは20日、自身のブログで、政府統一戦線部門が救助を行っている僧侶たちに被災区を離れるよう要求していたと伝えている。ある幹部は僧侶に対し、「お前たちは何でもやっているが、やり過ぎだ。今すぐ各自のいる地区に戻れ。さもなければ面倒なことになるぞ」と話したという。幹部は僧侶に対して、すでに安定維持部隊が玉樹に集結していると伝えた。玉樹県の道路には警察が検問を敷き、僧侶たちの侵入を厳しく禁じている。

鎮内のチベット人・恭加(ゴンジャ)さんは、救助にやって来た僧侶らが被災区からの退去を命じられていることを知った。恭加さんは、19日から安定維持部隊の多くの車両が被災区に進入し、その間、放送が入らなかったことを指摘している。このほか玉樹空港から結古鎮に続く道路には更に多くの検問所が設置されていたという。

「昨日も今日も、部隊がやって来た。人数ははっきりしないが、車両の数は多い。昨日は2回も来た。毎回15台ほどでやって来る。ある車両隊の前面には蘭州の部隊がいた」と恭加さんは話す。

また、巴塘郷の馬さんは記者に対し、当局が次々と被災区に増兵し、陸・海・空の三軍が揃っていると話す。「武装警察、解放軍、空軍部隊。三大軍が皆やって来た」

20日、救助活動に参加して高山病にかかった軍人からの情報によると、部隊や軍人が被災区にいる「チベット独立分子」に遭遇したら、報告は不要との上級命令を受けているという。つまり、戦場命令の執行が可能で、その場で射殺することができるとのこと。

この他、軍隊は被災区で救助を行う僧侶や志願者を強制的に玉樹から退去させるようにとの命令が出ている。これは部隊の上級命令で、ここは今、銃弾が飛び交う場所なのだと伝えている。

山西省からのボランティアは、彼らは皆20日に追い出され、自分も帰路についていると話した。

台湾図博之友協会(Taiwan Friends of Tibet)の周美里会長は、中国政府は外国からの援助を拒否し、多くの軍警察を救助ではなくチベット人たちを監視するために被災区に派遣していると指摘している。

依然として救助に励む僧侶たち

20日、多くの僧侶たちは倒壊した家屋の中から価値のあるものを掘り出す作業を手伝っている。自分たちが追い払われれば、部隊が被災区を整理する前に何もなくなってしまうと僧侶は話す。

あるチベット人被災者は、ラサの色拉(セラ)寺の僧侶が玉樹に向かっている途中だと話す。色拉寺の僧侶で組織された救援グループは、車で被災区に食料を運ぶなど重要な役割を果たしているという。

ここ数日、セルシュ・ゴンパ、セダの喇栄五明佛学院(ラルン・ガル・ゴンパ)などの寺院は、被災区に屋台を設け、粥や布施、各種の食品を配給している。19日、カンゼ州セダの喇栄五明佛学院は、380万人民元の現金を地震で家族を亡くした人たちに寄付した。また、チベット族、漢族の区別なく家屋が倒壊した家族にも現金を支給した。他の寺院も同様の施しを行っているという。

被災区のチベット人によると、現地は海抜が高いため、外から救援に来た人々の多くは、環境に慣れることが難しいという。現地に住む数千人の僧侶はチベット各地からツァンパ(チベット麦こがし)を背負い、大きな役割を果たした。僧侶たちが懸命に救助活動を行っている時、兵士たちは救援のスローガンを言いながらそばで傍観しているだけだったという。

中国政府による報道はすべて軍隊による救助シーンばかりで、救助に励む僧侶たちの姿は映らない。

(翻訳編集・坂本)
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