冤罪で11年間服役の男性に、補償金910万円支給 弁護士:「個別な案件ではない」=中国

【大紀元日本5月15日】自白を強要され殺人罪で11年間刑に服した河南省の農民・趙作海さんに、冤罪として中国当局は65万元(約910万円)を支給した。名目は冤罪の賠償金とこれからの生活への補助金である。

河南省商丘(シャンチュウ)市近郊の農村に住む趙作海さんは1999年、同じ村の村民・趙振晌さんを殺害した容疑で逮捕された。2002年12月、執行猶予2年の死刑を言い渡され、その後、無期懲役に減刑された。今年の4月30日、殺されたはずの趙振晌さんが村に戻った。当時、自分が包丁で趙作海さんを切りつけた後怖くなって逃亡したことなどを白状した。それにより、冤罪が判明、5月8日、11年間服役した趙作海さんは無罪で釈放された。

5月13日、趙さんは現地の商丘中級人民法院(日本の地方裁判所にあたる)から上記の補償金を受け取ったという。

これまで中国メディア報道は、趙さんの娘の話として、100万元の補償金を要求したと報じた。5月12日に、同地方裁判所と趙さんが補償金の額について合意したもよう。

趙さんは補償金の使い道について、子供たちの結婚資金や家の建築費に当てると話した。また、老後は、農作業で生計を立てるつもりだという。

拷問に耐え切れず自供、元妻も証言を強要される

趙さんは今年57歳、4人の子供をもうけていた。11年前の有罪判決後、妻は2人の子供を連れて離婚した。残された2人の子供は親戚に託されたという。

冤罪が晴れて釈放された趙さんの証言によると、当時の取り調べで悲惨な拷問に耐え切れず、警察の指示通りに虚偽の自供をした。

趙さんによると、逮捕された後、派出所に二日間、公安局に一ヶ月拘留された、警察に拳銃や麺棒で、頭を殴られたり、頭の上で爆竹を爆発されたり、蹴られたり等の虐待をされた。その間、意識が薄くなる薬も飲まされた。罪を認める供述を強要するために、拷問は30日間も続いたという。担当刑事が趙さんに、罪を認めなければ、車に乗せどこかで降ろして、逃走したとして銃殺すると脅したという。

元妻や、警察側の「証人」の女性も、ベルトで鞭打ちされるなど虚偽の証言を強要されたという。

商丘市検察院の幹部によると、当時、取調べを行った3人の警官のうち、2人は自白強要の疑いで身柄を拘束されたが、1人は逃亡中だという。

弁護士:「個別の案件ではない」

北京在住の弁護士・李和平さんは、「趙さんの事案は決して個別ではない。インターネットで同様な事案をよくみかける。私自身が6件の冤罪を把握している」と語った。

中国の司法が独立していないことが、冤罪が生じる最も根本的な原因である、と李弁護士は指摘、本件について、次のような経緯を明らかにした。

当時、この案件の証拠は不足していた。検察側も起訴すべきではないとして、3回も案件を却下した。後に、ある政治法律委員会(略称・政法委)の委員が会議でこの案件を起訴できると発言した。それに対して検察側は反論せず起訴に応じた。

李弁護士は、「中国では司法機関の上には、政法委が君臨している。しかも、司法機関内部にも共産党委員会がある。すべては共産党委員会の一存で決められる。司法機関は操り人形に過ぎない」と指摘した。

補償金は少なすぎると、中国の法律専門家は指摘する。

(翻訳編集・叶子)
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