<上海万博>止まらない混乱 チェコ館、閉館示唆 ドイツ館も騒動

【大紀元日本5月21日】朝9時の万博パークは「皆さん、押さないでください、走らないでください」の叫び声で一日の始まりを迎える。開幕から3週間が経つ上海万博が、あらたな問題に直面。万博の混乱した管理・運営体制に耐えられず、チェコ館が、万博監督指導委員会に苦情を申し立てたうえ、指摘した問題点が改善されない場合、今月中にも閉館する可能性を示唆したという。

チェコ館のスポークスマンによると、代表のパベル・アントニーン・ステフリーク氏は7日、万博管理の5つの問題点をメールで指摘し、改善を求めた。メールは非公開とされたが、インターネット上で後日、同氏のメールとされるものが「流出」し、注目を集めている。

「流出」メールが指摘した5つの問題点は、▼スタッフ専用の通用口がないため、スタッフも数時間並ばなければならない▼チェコ館に勤める30名のチェコ人スタッフのうち、万博全期間にわたっての滞在ビザが下りたのは2名のみ▼招待されたVIPも、一般来場者と同じく並ばなければならない▼運送会社が指定されたため、備品の輸送や補充がスムーズにできていない▼水道管トラブルなどの緊急時の対応の悪さ、などである。文面には「受け入れられない」、「でたらめだ」などの痛烈な批判が随所に見られたという。

ステフリーク氏は改善策も提言したものの、7日から2週間経った今でも、完全には解決されていない。特に28名のスタッフのビザ問題が今月末のビザ満期前に解決されないと、チェコ館は上海万博から撤退することになりかねないという。

万博の混乱管理体制に不満を示したのはチェコ館だけではない。5千万ユーロを投じて製作したドイツのパビリオンも挫折している。万博の失態について報道したドイツ紙『南ドイツ新聞』によると、「押し合いや競り合いなどの騒動が多発」、数時間並んだ来場者が強行突破しようとする場面も発生し、苛立ちが高ぶった来場者から「ナチスだ、ナチスだ」との無礼な叫び声も。この混乱ぶりにドイツ館は万博サイドに抗議し、保安員の増員を要求したと同紙が伝えた。

この他にも、イギリス館は一度混乱で閉館に追い込まれ、スイス館でも行列中の競り合いなどのトラブルが多発したという。

万博の混乱に、国内の参観者も「行かないのも残念だけど、行ったほうがもっと残念だ」と嘆いている。国家の面子をかけた「面子プロジェクト」を、「面子潰しプロジェクトだ」とネットユーザーが批判している。

(翻訳編集・張YH)
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