天安門事件元学生リーダー来日、中国大使館侵入容疑で逮捕 中国帰国の狙い

【大紀元日本6月5日】6月4日午後、1989年6月の学生民主運動の元リーダー、ウアルカイシ氏が、東京都港区にある中国大使館に侵入した容疑で、警視庁麻布署に身柄を拘束された。21年前に中国当局に指名手配された同氏は、中国に帰国して潔白を証明するために、現在台湾在住の同氏は最近来日し、中国大使館を訪れて自首しようとしたが、対応を得られないために強行突入をはかったという。

1989年、当時の大学生は政治改革を求めて、全国各地で大規模な学生民主運動を起こした。6月4日、中国政府は天安門広場に集まっていた大勢の大学生に武力弾圧を行い、多くの若者が亡くなった。当時学生リーダーだったウアルカイシ氏は中国当局に指名手配されたが、難を逃れ米国に亡命した。

その後、同氏はハーバード大学を卒業、台湾に移住した。

同日朝、中国大使館の敷地内に突入する前に、同氏は柵の前で取材に応じた。祖国に帰るためにこれまで度々中国政府の在外公館に帰国許可を求めたが拒否され続けた。今回、在日中国大使館に自首することを決意して来日したという。

在日中国大使館を訪れ、自首しようとするウアルカイシ氏(大紀元)

「柵の内側は中国領土、外側は日本領土。日本の警察にこう告げられました。私はいま、この境界線に立っています。まさにこの一本の線が、私と祖国を離れ離れにしています」

帰国したい理由について、「すでに21年間、両親、兄弟にずっと会えないでいます。家族に会いたい、中国政府と対話したい、それが実現できるならば、例え、自首しても構わない。逮捕されても監禁されても構わない。だから、私は今日、自首しに来ました」と語った。

ウアルカイシ氏は、その場にいる警視庁の警官に自首する願望を告げたが、大使館からの対応を得られなかった。午後2時半頃、同氏は大使館前の柵を乗り越え、大使館に強行突入しようとしたところ、警備中の麻布警察署員に取り押さえられ、身柄を拘束された。

同日夜、日本民主陣線などの民主団体は池袋周辺で、天安門事件21周年記念活動を行った。

最新情報によると、ウアルカイシ氏は今、品川の警察署に拘束中だという。

(記者・洪峰、翻訳編集・叶子)
関連記事
香港では「国家安全法」を導入したことで、国際金融センターとしての地位は急速に他の都市に取って代わられつつある。一方、1980年代に「アジアの金融センター」の名声を得た日本は、現在の状況を「アジアの金融センター」の地位を取り戻す好機と捉えている。
メディアのスクープ話が世の中を動かす。特に最近は「文春砲」など週刊誌メディアの元気が良い。同時に報道のありかたが問われている。国が国民の幸福を奪うことがあったら、ある程度、国家権力の作ったルールを逸脱する「反社会性」を持ち、戦わなければいけない時がある。記者は反社会的な面を持つ職業で、メディアは反社会性を持つ企業なのである。
米空母、台湾防衛態勢に 1月29日、沖縄周辺海域で日米共同訓練が挙行された。日本からはヘリコプター空母いせが参 […]
上川陽子外務大臣は、パナマ在留邦人及び進出日系企業関係者と昼食会を実施した。日・パナマ間の経済分野における協力の可能性や課題、教育などについて、意見交換を行った。
2月23日午後、上川陽子外務大臣はパナマ運河視察を行った。日本が主要利用国であるパナマ運河の安全かつ安定的な利用環境確保に向けた連携を維持すると表明