止まらぬホンダ中国系列のスト 3件目、賃上げ・労組改造を要求 周辺日系へ影響

【大紀元日本6月12日】広東省佛山市にあるホンダ中国部品工場など2社のストライキが終結したばかりだが、隣の中山市の系列工場でまたも、ストライキが発生した。9日から始まったこのストライキは、賃上げのほか、政府系労働組合を改造、従業員自主の独立労組の設立を求めている。ロイターなど外国通信社の報道によると、11日の時点ではまだ続いている。

ホンダ系列工場の一連のストライキを受け、周辺地区の日系企業は相次ぎ賃上げに踏み切ったもよう。そのうち、東芝は500元、松下などは200元から300元のアップだという。

広東省中山市にある「広東固力・本田製鎖公司」には約1500人の従業員がおり、ホンダ自動車に車の鍵やその他の部品を生産している。「聯合早報」などの報道によると、9日に500人のストライキが発生したのは、前日、ストライキを計画した従業員が工場側に殴られたことがきっかけ。

報道によると、9日午後、従業員代表10人が会社側と交渉に入った。佛山市のホンダ部品工場の賃上げと同じ水準になるよう、基本給を930元(約1万3千円)から1600元(約2万2千円)への賃上げや、残業手当のアップ、労働組合の再結成などの条件を提示した。また、会社側がすべての要求を受け入れるまで、ストライキを止めないとも示したという。

ホンダ中国本部の広報担当者は11日、BBCの取材に対して、中山市工場のストライキの状況は把握していないと答えた。

ロイター社11日のストライキについての報道によると、工場外で警察が待機し、工場内では従業員らが、「団結しよう」とのスローガンを叫びながら、低い賃金や、自分たちの権益を守ってくれない現労働組合の改造を訴えている。

ストライキの連鎖をもたらすきっかけとなった佛山市のホンダ部品工場のストライキでは、従業員が政府系労働組合を排除して自ら会社側と交渉を行い、33%の賃上げに成功した。ストライキ後も従業員は公開書簡で、独立の労組を設立する意向を示した。

佛山市の部品工場のストライキに続き、同市にあるホンダ中国工場に排気システムを供給する「豊富・汽配有限公司」(ユタカ技研と台湾系資本の合弁会社)では6月7日から賃上げストライキが発生、会社側はその後、賃上げの要求を受け入れたという。

今回の中山市でのストライキに、現地政府、警察当局、会社側は強硬な態度を取っている。「聯合早報」によると、警察がストライキ参加者に配ったチラシには、中国ではストライキは違法行為であり、違反者には3~5年の禁固刑に処するなどと書かれていた。会社側も、ストライキの違法性を強調して、早急の職場復帰を求めている。

また、中国国内メディアも、中山市でのストライキに関する自社報道は禁止され、国営「新華社」の報道に準ずるようにと、当局から通達されているもよう。同工場周辺で張り込みを行っている外国メディアも現場から締め出されたとの情報が伝えられている。

インターネットでは、関連ニュースの書き込みや貼り付けが相次いで削除されている。

専門家は、「日本や台湾などの外資系企業の生産管理は厳しく、待遇もよくないのだが、通常、ストライキに対しては法律に基いて対応する。そのため、往々にして従業員側の要求を受け入れる。しかし、一部の中国企業は法律を遵守する意識が薄く、安易には妥協しない。そのような背景から、日本や台湾などの外資系企業は賃上げストライキに遭いやすい」と分析した。

(翻訳編集・叶子)
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