対北政策見直しを要請 中国知識人、政府に連名公開状

【大紀元日本6月14日】中国の外交政策に関心を持つ一部の知識人が6月10日、インターネット上で連名書簡を発表、中国政府に対して、「中朝友好協力互助条約」の廃止や両国の軍事同盟関係の解除など、北朝鮮との外交関係を見直すよう提案した。

公開状は、金正日政権は現在の内外情勢は困難を極め、ルーマニアのような政変が起こる可能性が非常に高いと指摘する。

「現代史上において、今日の北朝鮮政権の道徳イメージは最悪のどん底に陥っている。この政権に対するわが中国政府の実質的な役割は、『中朝友好協力互助条約』に基づいて軍事保護を提供、経済援助でその政治制度の崩壊を免れさせたと同時に、2300万人の朝鮮国民を恐怖と飢餓に陥れさせている」と、北朝鮮に対する中国政府の宥和政策を批判した。

また、「今日の中国政府による金正日政権への支持は、南北統一後の朝鮮民族に次のような印象を残すことになる。すなわち、朝鮮民族が長期にわたり分離した悲劇、特に北側の2300万人のこれまでの悲惨な運命をもたらした最大の原因は中国である」と、崩壊直前の金正日政権への支援を停止するよう、当局に呼びかけた。

公開状では、中国政府に対していくつかの主張を提議した。▼「中朝友好協力互助条約」を廃止し、中朝両国の軍事同盟関係を終結▼対北朝鮮経済援助を国連統轄の人道主義援助に切り替え、国連監督のもとで執行する▼北朝鮮が六カ国協議の参加を拒否したり、「核拡散防止条約」を遵守しない場合、北朝鮮といかなる実質的な軍事関係も持たない。軍事目的に使用される恐れのある、いかなる戦略物質も提供しない。中国国内でのその各種貿易組織の資金の流れを厳密に監視する、など。

以下は公開状の一部内容。

北朝鮮は中国の最重要の隣国であり、最近、その国内外の緊張情勢がさらに深刻化、ルーマニアのように急激な政変が起こる可能性が非常に高い。わが国家の安否を慮り、政府に対し、対北朝鮮政策の見直しを呼びかける。

北朝鮮は1990年代半ばから食糧不足による大飢餓が発生、その後、完全崩壊に瀕する経済情勢は一向に好転していない。中国や、韓国、日本、米国などの国際社会の援助に頼って、さらなる大規模な人為的災難を回避でき、金正日政権は今日まで延命できた。

今日、北朝鮮は、六カ国協議からの離脱、核実験の強行、韓国の観光客銃撃、国際救援組織の職員を国外退去させるなどの行為により、中国を除いて、ほかの国々はほぼ援助を取りやめた。

最近、韓国の哨戒艦「天安」が北朝鮮に撃沈された事件はまさに、金正日政権の崩壊直前の最後の冒険である。

現代史上において、今日の北朝鮮政権の道徳イメージは最悪のどん底に陥っている。この政権に対するわが中国政府の実質的な役割は、「中朝友好協力互助条約」に基づいて軍事保護を提供、経済援助でその政治制度の崩壊を免れさせたと同時に、2300万人の朝鮮国民を恐怖と飢餓に陥れさせている。

北朝鮮への援助、支持、妥協と忍耐は、国際社会のわが国への強い圧力を招いている。特に、北朝鮮難民の大量強制送還や、在外公館に庇護を求める北朝鮮難民を拿捕する行為は、全世界の前でわが中国の国家イメージに泥を塗ってしまった。

もし、朝鮮半島南北統一の最後の一幕まで依然として、わが中国政府が無条件に金正日政権を支持しているのであれば、60年来、わが中国国民が北朝鮮のために流した鮮血と汗水は、6千万人の朝鮮民族の恨みを買ってしまう可能性が高い。

今日の中国政府による金正日政権への支持は、南北統一後の朝鮮民族に次のような印象を残すことになる。すなわち、朝鮮民族が長期にわたり分離した悲劇、特に北側の2300万人のこれまでの悲惨な運命をもたらした最大の原因は中国である。

(翻訳編集・叶子)
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