中国南部で進む「石漠化」 広東省1千万人以上に影響

【大紀元日本6月23日】6月17日は「砂漠化および干ばつと闘う世界デー(World Day to Combat Desertification and Drought)」。広東省林業局によると、同省の砂漠化面積はすでに10万ヘクタールを超え、同時に、石漠化(※)も蔓延しており、全省人口の10分の1にあたるおよそ1080万人の生活を脅かしている。山岳地域の石漠化は沿岸地域の砂漠化と共に広東省の二大生態問題といわれている。

「一瞬、陝西省北部の黄土高原に来ていると思った」と、広東省林科院の李小川副院長は広州日報に対し、昨冬に同省沿岸部を訪ねた際の体験をそう語った。

中国では現在、砂漠化と石漠化の問題が深刻となっている。現在、砂漠化した土地は174万平方キロメートル。国土総面積の5分の1近くを占め、4億人の生存に影響している。

一方、石漠化の主要地域は、西南部の雲貴高原を中心とする貴州、雲南、広西、四川、湖南、湖北、重慶、広東の8省(市)にわたる。更に分布が集中しているのは貴州、雲南、広西の3省だが、東南沿岸部の広東省にもすでに蔓延している状態。

広州日報の報道によると、広東省沿岸部の砂漠化が広がり、生態問題になりつつあると、李小川副院長は指摘した。これらの地域では、漁民が養殖業のために沿海の防風林を伐採し尽くし、南風が吹くたびに砂埃が入り込むなど砂漠化問題は深刻化の一途をたどっているという。砂を固定させるための防風林の植え直しと、必要に応じての養殖業からの撤退が急務だと述べた。

さらに、山岳部の石漠化が周辺住民の生活に及ぼす影響は、すでに重視しなければならない事態に発展しているという。石漠化問題を解決するには、伐採を禁じ造林を進め、農地を林地に戻す、この2つのプロセスが必要不可欠だと李氏は指摘した。

石漠化とは

熱帯、亜熱帯湿潤、半湿潤の気候条件と溶岩が発育した自然環境下において、人の活動によって地表の植物が破壊され土壌が流出し、下の岩石が地表に露出、或いは小石の堆積による土地の退化現象をいう。

環境学者は石漠化を「地球の癌」と呼ぶ。石漠化とならび、西北地区の砂漠化、黄土高原の水土流出を中国三大生態災害と、専門家はいう。

石漠化は主に傾斜の大きな斜面で発生している。石漠化した地区では洪水、地滑り、土石流が極めて発生し易く、ほぼ毎年干ばつと洪水に襲われる。石漠化と水土の深刻な流出は相互に関係しており、現地の人々の生活苦境を作り出している。

(翻訳編集・坂本)
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