「社会全体が変異」 趙紫陽の前秘書、中国方式を斬る

【大紀元日本7月1日】従業員の連続自殺事件に対応し、中国で最大の電子部品製造工場フォックスコン(富士康)は、短期間で2回の合計100%以上の賃上げを決定、更に工場移転の計画を発表した。中国製造業の「血汗工廠」(血と汗の工場)パターンに、ついに終止符が打たれたのか。

フォックスコン従業員の連続自殺事件が発生した後、中国の清華大学、北京大学、社会科学院、中山大学、上海大学など名門大学の9人の教授と研究員が連名で公開状を出し、中国では「低人権の優勢」をもって経済の持続発展を維持することが困難になってきたと指摘した上で、当局に、国民の基本的権利を犠牲にすることによって発展を維持するというパターンを止めてほしいと呼びかけた。

中国の趙紫陽前総書記の秘書で、元中共中央委員や中共中央政治体制改革研究室主任を務めた鮑彤氏が、本紙の取材に応じ、フォックスコン事件について語った。中国社会全体が危険な時期に入った象徴であり、「これはただ経済危機や政治危機、または信仰の危機や指導危機などの単一のものではなく、社会全体の危機だ」と指摘した。また、天安門虐殺事件が中国社会にもたらした悪果でもあるという。

長い間、中国経済の高成長を維持するいわゆる「中国方式」という言い方があるが、鮑氏は、「いわゆる中国方式は実質的にはフォックスコン方式であり、中共が独裁する方式である。実は、国家の実力は国民の人権不在の上に築かれたもので、短期間に一部の億万長者が誕生し、かわりに何億もの弱い立場に立たされた民衆が貧困になり人権不在になる、というものなのだ。これこそ、中共独裁の方式であり、天安門虐殺の方式でもある」

「天安門虐殺によって、こういった中国方式が生まれた。国民は、自分たちの政治参加や生存の権力を奪われても、文句さえ言うこともできなくなった。自分の権力を主張すれば、反革命とされる。これが中国方式なのである」

こういった方式により、「中国社会全体が変型変異し、危機に陥っている」。そのため、飛び降り自殺や残忍な暴力が発生するのだという。「このような方式のもとで、中国の国民は、どう生きていけばよいのか。彼らにとって、生きられなくなったら、自殺するより他に選択肢がない、というわけだ」

鮑彤氏によると、最近頻発している残忍な暴力、殺人、強盗などの悪性事件の氾濫も、「中国方式」により生まれた危機の現れである。これらの事件は個人的な問題というより、社会全体が重病を患っている現れだという。「世紀末の狂気だ。社会の倫理道徳が失った状況下において、どんな残忍な事件が起きても不思議ではない」と語る。

(翻訳編集・小林)
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