中国向けの衛星放送を中断 パリ最高裁、衛星大手ユーテルサットを調査へ

【大紀元日本7月3日】政治的な動機付けから、2008年北京五輪の直前、契約中の顧客の衛星信号を中断したとして、衛星大手のユーテルサット(EUTELSAT)社が上訴された事件で、パリ最高裁判所は6月30日判決を言い渡した。原告・新唐人テレビ局(NTDTV)の要請に同意し、ユ社が信号を中断した理由が単純な技術的な問題であるかどうか、専門家を派遣して、衛星信号中断以降のユ社の設備状態を調査することにした。

ニューヨークを拠点とする新唐人テレビは、海外の中国人が営む独立系の衛星放送局。2002年2月、北米での放送をスタートし、2003年7月からは、アジア、ヨーロッパ、豪州で24時間の衛星放送体制。2008年に契約先のユ社が送信を停止するまでは、ユ社のW5衛星を通して24時間、情報封鎖されている中国大陸に向けて中国の真相に迫る報道を放送し続けてきた。SARS事件を中国当局の報道より3週間も早く中国大陸の視聴者に伝えたことで、「中国の上空に自由の窓を開いた」と評価されていた。

2008年6月、北京五輪開催の数週間前、ユ社は突然「電源サブシステムの異常」を理由に、W5衛星から中国大陸向けのトランスポンダの送信を停止した。それ以来、W5衛星に容量がないという理由で、シグナル送信を拒否している。

報道の自由を守る「国境なき記者団」はその後、ユ社の社員と北京宣伝部の関係者との会話録音を入手した。送信停止は「事前に予定されていた政治的背景のある意図的な行動であり、情報の自由な流れを阻止し、ユ社の操業規約に反する」と指摘する。

昨年7月、新唐人テレビはパリの商務法廷に、ユ社の行動を調査する専門家を指名する申立てを提出したが、同年11月、パリ商事裁判所が新唐人テレビの要請を断ったため、新唐人テレビ局が今月6月、パリ最高裁判所に上訴するに至った。 

今回のパリ最高裁の控訴審は、新唐人テレビ局の関連の主張は信憑性が高いとし、第一審の判決を覆して、専門家を派遣してユ社を対象に関連の調査を行うとの判決を下した。

(記者=章楽・王泓/翻訳編集=叶子)
関連記事
香港では「国家安全法」を導入したことで、国際金融センターとしての地位は急速に他の都市に取って代わられつつある。一方、1980年代に「アジアの金融センター」の名声を得た日本は、現在の状況を「アジアの金融センター」の地位を取り戻す好機と捉えている。
メディアのスクープ話が世の中を動かす。特に最近は「文春砲」など週刊誌メディアの元気が良い。同時に報道のありかたが問われている。国が国民の幸福を奪うことがあったら、ある程度、国家権力の作ったルールを逸脱する「反社会性」を持ち、戦わなければいけない時がある。記者は反社会的な面を持つ職業で、メディアは反社会性を持つ企業なのである。
米空母、台湾防衛態勢に 1月29日、沖縄周辺海域で日米共同訓練が挙行された。日本からはヘリコプター空母いせが参 […]
上川陽子外務大臣は、パナマ在留邦人及び進出日系企業関係者と昼食会を実施した。日・パナマ間の経済分野における協力の可能性や課題、教育などについて、意見交換を行った。
2月23日午後、上川陽子外務大臣はパナマ運河視察を行った。日本が主要利用国であるパナマ運河の安全かつ安定的な利用環境確保に向けた連携を維持すると表明