NYの億万長者「チャンスの神様の前髪を掴め」=大根田氏

【大紀元日本7月13日】今、ニューヨークの日本人コミュニティーの中で一番話題の人といえば大根田勝美氏である。大根田氏は、アメリカで最も成功した日本人ビジネスマン。9日、ニューヨーク日系人会で大根田勝美氏の講演会が開催され、多くの日本人が駆けつけた。

一時間半におよぶ講演は、あっという間に過ぎ去った。その絶妙な話術もさることながら、話しの内容は山あり谷ありでまさに「事実は小説より奇なり」を地でいくようなサクセス・ストーリー。会場は熱気にあふれ、定員数(90名)を越える日本人たちが、大根田氏の言葉を一言も逃すまいと固唾をのんで聞いていた。成功の秘訣はどこにあるのか、大根田氏の「夢物語」は、自分たちでも本当に叶うものなのか。彼は講演中、何度も「成功のためのマジック・ピル(魔法の薬)はない」と話した。一度決心したら目標に突き進む行動力と集中力、そして向上するための猛烈な努力。大根田氏の言葉に、会場の聴衆は皆、圧倒された。その内容は、今年出版された彼の著書『中卒の組立工、NYの億万長者になる』(角川書店)に詳述している。

大根田氏は1937年に東京に生まれ、現在は72歳。戦時中は長野に疎開し、終戦後は食べ物もなく、彼一人が学校へ弁当を持っていくことができなかった。給食に出た味噌汁の底にたまった大根や菜っ葉をすくっ て空腹を満たした。疎開先の子供たちからは「東京っぺ」といじめられた。生きるために鉄クズを拾ったり、どじょうを捕まえて売ったりして何とか飢えを凌ぐ日々が続いた。大根田氏は当時の過酷な人生を「よく生きのびたものだ」と振り返る。「あの苦しかった時、『神様助けてください』と何度も叫んだが助けてもらえなかった。でも、ちゃんと神様は聞いておられ、後でそれを聞き届けてくれたのです」と穏やかな口調で語った。

大根田氏は中学を卒業後、光学メーカー・オリンパスの工場(長野県)に就職。顕微鏡の組立という仕事に取り組む傍ら、独学で英語を学び、医療機器部門へ異動。その後も医学書を読み、医療現場で医師の技術を学び取るなどの努力を重ね、組立工出身者としては初の海外駐在員に抜擢された。ニューヨークで内視鏡のビジネスの基礎を作るが、中卒という学歴のため、出世の道を遮られることに失望し独立を決意。その後、アメリカ人ビジネスマンとベンチャービジネスに乗り出し、億万長者への道を歩んだ。

資産総額は100億円に上るといわれる大根田氏が「夢を実現する」うえで、一番印象に残った言葉がある。彼が中学生の時、朝礼で教頭が語った「チャンスの神様」の話である。「『チャンスの神様』を逃すなよ。『チャンスの神様』は、凄い勢いでお前達に向かっ てきては去っていく。『チャンスの神様』は、前髪はぼうぼうだが、後ろ髪がなくてツルツルなんだ。向かってきた時に、しっかり前髪をつかまえておかないと、通り過ぎてからつかまえようとしても、手が滑ってもう掴めないんだ」

講演が終わり、大根田氏から「人間万事塞翁が馬」と著書にサインを頂いた。「ビジネスにおいても人に嘘をつかず、誠実さを示すことがとても大切です」と強く握手して下さった。人生の浮き沈みを経験し、たゆまぬ努力で成功を勝ち取った氏の真摯な生き方に、改めてわが身を重ね合わせ考えさせられる講演会であった。

(NY=山崎)
関連記事
とんでもないおふざけと残酷なディストピアを力づくで押し付けようとする単一の方針が、これほど急速に地球全体を支配したことはない。2020年、コロナウイルスを封じ込めようとする無益な試みによって、これは起こった。
1271年、モンゴルのフビライ・ハンが元を建て、初めての漢民族以外の皇帝となりました。その後、数十年にわたり、中国はかつてない規模の帝国となり、元は文化の多様性と国際貿易の栄えた時代となりました。
明の最初の皇帝・太祖の生い立ちは、朝廷生活とはほど遠く、彼は朱元璋と名付けられた農民の子供でした。彼は最初、僧侶の道を歩みましたが、モンゴル主導の元が朝廷内の闘争で弱体化する中で反乱軍に参加し、まもなく右に出るもののいない軍事家として才気を発揮することとなりました。
胃酸逆流の症状を抑える等、一般的な胃腸薬を服用している人は、知らず知らずのうちに偏頭痛を発症するリスクを高めているかもしれません。 このような一般的な治療薬と偏頭痛との関連性について、アメリカ神経学アカデミーが発行する「Neurology Clinical Practice」オンライン版に掲載されました。研究では、胃腸薬が偏頭痛を直接引き起こすとは断定されていないものの、両者の間には何らかの関連があるのではないかと考えられています。
子供のいじめ、自殺、暴力・・・昨今、心の痛むニュースが後を絶えません。生まれてきた時は、誰もが純粋で善良だったはずなのに、何が子供たちを悪へと走らせるのでしょうか。人生には学校の教科書から学ぶことのできない、大切な価値観があることを子供たちへ伝えることが重要です。将来を担っていく子供たちに、ぜひ読んでもらいたい物語を厳選しました。