「一人っ子二世」 中国の未来は?

【大紀元日本7月13日】1970年代から中国で導入された一人っ子政策(夫妻一組に対し子供を一人しか持たない)で誕生したのが「一人っ子世代」。そして2010年に入った今、30歳代となった「一人っ子世代」は相次いで結婚し、子供を授かっている。彼らの子女は「一人っ子二世」(中国語では「独二代」)と呼ばれ、新たな社会現象を巻き起こしている。

兄弟の絆を知らずに育った「一人っ子世代」は、利己的で非協力的であるなど多くの非難を浴びているが、「一人っ子二世」はさらに深刻な社会問題を引き起こすのではと、危惧されている。

寵愛の極みにいる「一人っ子二世」たちは親の世代に比べ、さらに豊かで恵まれた物質環境で育つ。「一人っ子二世」の典型的な家庭構成は、「大人6人(両親、両方の祖父母)に対して子供1人」だ。両親が忙しいため、祖父母が代わりに子育てをするケースが多い。祖父母の溺愛により、子供の自立能力が欠如するなどの悪い習慣がもたらされている。家のものは全て自分一人のためにあり、他人と分かち合う概念を形成する機会がないため、「一人っ子二世」は、利己的で私利私欲をむさぼる傾向にあるとも言われている。

また、高層ビルの急増も子供たちの自然な交流を遮っている。子供たちの中には、他人とのコミュニケーションが取れないタイプも多い。「一人っ子二世」は両親の世代よりさらに複雑な社会に直面し、外部からの圧力も前世代より大きい。

兄弟姉妹の絆を知らず、「おじ」も「おば」もいない、一種の「孤児」ともいえる「一人っ子二世」。他人の気持ちを汲むことを学ぶ機会も限られ、挫折を乗り越える能力も低いと指摘されている。

「一人っ子二世」はどうやって激しい競争社会で生きて伸びてゆくのか。現代中国の抱える今後の深刻な課題だ。

(翻訳編集・李頁)
関連記事
中国北京市では4日、当局の諮問機関にあたる中国人民政治協商会議(政協)が開幕された。中国メディアによると、政協の男性委員は会議で、少子化の対策として30歳以上の未婚女性の出産を認めることを提案した。
中国国家統計局は17日、2021年の全国出生数は1062万人で、5年連続の減少と発表した。また、昨年の出生率(人口1000人当たりの出生数を示す比率)は7.52人と1949年の共産党政権樹立以来の最低水準を記録した。
近年、中国の少子化問題は深刻になる一方のようだ。地方政府はこのほど、子育ての負担を軽減するとして優遇融資策を相次ぎ打ち出した。中国では初の試みとみられる。
中国は日本よりもはるかに深刻な少子化に直面している。中国共産党政権は7月20日、夫婦1組につき3人まで子供をもうけることを認める方針を打ち出したのに続き、出産を奨励するさまざまな政策を導入する文書を正式に発表した。中国共産党(中共)は、急速に進む少子高齢化による経済成長鈍化などへの危機感を抱き、産児制限を緩和する方針だ。
6月16日未明、ファン・ビンビンが19歳年下の弟・範丞丞(ファン・チェンチェン)の誕生日を祝いました。21歳の範丞丞は成人となりましたが、範氷氷は彼を「坊や」と呼んでいました。