ドイツ大手企業トップ、温首相に詰め寄る 中国の投資保護主義を非難

【大紀元日本7月25日】7月中旬、ドイツメルケル首相が中国を訪問した際、同行したドイツ大手企業2社のトップが、温家宝首相に対して中国の投資保護主義に強い不満を表した。

「フィナンシャル・タイムズ」や「ウォール・ストリート・ジャーナル」などの先週の報道によると、17日、メルケル首相と温家宝首相は、共に中独両国の企業家懇談会に出席した。その席で、世界最大の総合化学メーカーBASF社のハンブレヒト(Jurgen Hambrecht)会長や、シーメンズ社のレッシャー (Peter Loescher)社長兼CEOが、温首相に対して中国政府の外国企業の取り扱いに不満を漏らした。

BASF社のハンブレヒト会長は次のように単刀直入に切り込んだ。「中国政府は外国企業に対して、中国市場への参入を許可する条件として、技術と知識の提供を強いている。このようなビジネス習慣は、我々が期待する協力構図とはかなり掛け離れている」

シーメンズ社のレッシャー社長兼CEOは、「ドイツビジネス・アジア太平洋委員会」の主席でもある。中国政府は公共入札の分野で、在中の外資系企業を抑制しており、自動車や金融業界においては合弁投資を強要している、と指摘した。

外国企業の代表者が中国の最高指導者の前で、このような鋭い意見を語ることは、極めて異例である。両社の中国現地法人を合わせると、3.6万人の従業員が雇用されている。ドイツ企業の中では、中国での投資規模が最大である。

ハンブレヒト会長の批判に、温首相は「落ち着いて」と返事した。「最近中国の投資環境が悪化しているとの指摘があるが、私はそう思いません」と話した。

注目すべきことは、ハンブレヒト会長は、従来、北京当局を擁護する「親中派」企業家だった。2007年、メルケル首相がチベット亡命政府の最高指導者ダライ・ラマ14世と面談したとき、同会長は即座に公にこの行動を非難し、中国政府を支持する立場を強調した。

温首相が言及した「最近中国の投資環境が悪化しているとの指摘」は、おそらくGEのジェフリー・イメルト(Jeffrey Immelt)CEOによるものだろう。同氏は最近イタリアのある食事会で、北京当局の保守主義は厳しくなる一方であり、GEは中国に進出してからの25年来、最も酷いビジネス環境に遭遇していると不満を漏らした。

「ジェフリー・イメルト氏より、ハンブレヒト氏はずっと北京に友好的で、親密的である。その意味では、ハンブレヒト氏が公の場であのような発言をしたのは非常に重要なことである」と、ある中国駐在のドイツ大手企業の大物がファイナンシャル・タイムズに語った。

今回のハンブレヒト会長の言動について、胸に溜まっていた中国政府への不満を一気に爆発させたのではないか、と外部関係者は分析する。

その場にいたメルケル首相も、中国政府はレアメタルの輸出を制限していることを「憂慮している」と語った。レアメタルは電子機器、ハイブリッド車や軍事備品に不可欠な原料である。中国は世界レアメタル市場の9割を占めている。

一方、温首相は、中国はレアメタルの輸出は制限していないと返答。同時に「合理的な価格と量」で外国に販売しなければいけないとの見解を示した。

フィナンシャル・タイムズの関連報道によると、懇談会は一時しらけ、メルケル首相が「いまこそ、皆さんが腹を割って意見交換するいい機会」と場を和ませようとしたという。

(翻訳編集・叶子)
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