中国から脱出した華人女性、米国民勲章 24年にわたるホームレス支援で

【大紀元日本8月12日】 24年間、毎日ホームレスたちに無償で食事を提供してきた中国系米国人、関恵群さん(かんけいぐん)が4日、オバマ大統領から大統領国民勲章を受賞した。同賞は国や社会に貢献した模範的な市民に贈られるもので、民間人が受ける賞の中では大統領自由勲章に次いで高位にある。彼女の活動は、無数の米国人に感動を与えた。

中国南部の広東省開平地区で生まれた関さんは、もともと裕福な家柄で両親ともに成功した医者だった。しかし、1950年代から始まった「文化大革命」で関さんの家族は非難の対象となり、彼女は幼くしてホームレスとなってしまった。彼女の証言によると、6~7歳ごろ、共産党の「紅衛兵」からひどい虐待を受けたという。数年後、一家は泳いで川を渡り、無事に香港へ脱出。その後、学校教育を受けられなかった関さんは、砂場に指でなぞりながら漢字を習得した。

その後、関さんは米国に嫁いだ姉を頼って渡米。38年前、物理学博士の夫と結婚し、カリフォルニア州に定住した。

20数年間、関さんの日課は夜明け前に起床し、200杯余りのコーヒー、大量のドーナツなどの食べ物を、橋の下や茂みに隠れるホームレスたちに送り届けることだった。彼女の助けを必要としている人の多くは精神病患者や退役軍人、薬物乱用者、家出した若者などで、ホームレス以外にも困っている人がいれば、彼女は救いの手を差しのべる。そのほか、彼女は服を洗濯したい人がいればコインランドリーの券を渡し、両親に連絡したい若者いればテレフォンカードを渡す。服や毛布、テントが必要な人には、寄付を募って届けるなどの用事を済ませた後、今度は彼らの夕食の支度をするために再び家へ戻るという日々を繰り返してきた。

このような彼女の活動について、オバマ大統領が述べたのは「謙虚で、無私の心」。慈善活動を行う理由について関さんは、幼少時の自分のように、誰もゴミ捨て場で寝泊りさせたくないし、社会に恩返しをしているだけだと話した。関さんは、いまだにホームレスだった頃の悪夢を見たり、華人男性が中国語を話しているのを耳にして恐怖に怯えたりするという。

関さんは、「中国政府は私を見捨てたが、米大統領が私に賞を授与してくれた。これはアメリカン・ドリームよりも美しい実話だ」と話し、華人として同賞を受賞できたことを誇りに思うと語った。

(翻訳編集・叶子)