英国バイリンガル子育て奮闘記(48) 日本のお友だちが遊びに来た (1996年頃)(下)

【大紀元日本8月16日】日本から遊びに来た友人一家は、近所のホリデー・コテージを借りて滞在した。カルチャーショックは、子供より親の方が大きかったようだ。まず、洗濯機が違う。(大型でドアは上でなく横にある。常に自動旋回するわけではなく、かなりの間を置いて忘れた頃に旋回する。)真夏のはずなのに、北海道より寒い。ヒーターはどうやってつけるの?(そういえば、英国のB&Bは、電気毛布やヒーターが真夏でも備えられていたのを覚えている。)窓が開かない。調理した時の煙はどうなるの?(オーブンの国だから、炒め物はあまりしないから、煙がでないのだろうか?)分別ゴミはないの?(当時はなかった)

都会と田舎の感覚の差も大きいようだった。東京ペースに慣れていた友人家族は、徐々に、事がすぐに運ばないコーンウォール独特の時間のペースに入ってくれた。

地形も全く違う。ビーチというと日本では砂浜だが、こちらは小石の並ぶビーチが大半。また、コーンウォールの海岸線は大方が断崖絶壁だ。

ケープ・コーンウォールという、一応陸地とはつながっているが、ほとんど孤島のような景勝地に一家を連れて行ったとき、高台からの海の景観に友人夫妻は感動し、言葉を失っていた。すると突然、5歳の男の子が、「ここ自動車がないから、ボク、走り回れる」と、私の手を放そうとした。四方は切り立った崖。ここで走り回られたら、どうなるの?私は必死で彼の体全体を抱きしめながら、親の助けを求めた。「何とかしてー」。すると、友人が即座に息子を教え諭してくれた。「うちのマンションの上から飛び降りたら、どうなる?」「えー、死んじゃう。」「ここはね、うちのマンションなんかより、ずっと高いんだよ。ちゃんと手をつないでなさい。」なるほど、こうやって都会の子供に危険を教えるのか、と納得した。

日本では、暑いからビーチに行って水に浸かる。しかし、常に冷たい潮風の吹くコーンウォールでは、この暑さに至ることはない。水も氷のように冷たい。結局水には入らず、子供たちは泥んこ遊びを楽しんでいた。

  (続く)

著者プロフィール:

1983年より在英。1986年に英国コーンウォール州に移り住む。1989年に一子をもうけ、日本人社会がほとんど存在しない地域で日英バイリンガルとして育てることを試みる。