「乳児の早熟は粉ミルクと因果関係なし」 中国衛生部が発表 民衆は調査手法を疑問視

【大紀元日本8月17日】山東省のメーカーが製造した粉ミルクを飲用する乳児性早熟の症状が見られると消費者が訴えていることについて、中国衛生部は8月15日記者会見を行い、問題の粉ミルクには基準値を超える女性ホルモンの添加は確認できず、性早熟症との関連は認められなかったとの調査結果を発表した。しかし、調査手法自体に問題があるとの声が上がっている。

湖北省の3人の女児に乳房が膨らむなどの早熟症状が見られ、検査を受けたところ、いずれも女性ホルモン値が成人女性並に高いことが分かった。長垣xun_pしている粉ミルクに問題があるのではないかと複数のメディアが報道したことによって、問題が表面化した。

同ミルクの製造元である山東省大手乳製品メーカー「青島聖元栄養食品」は、ホルモン成分を添加するような違法行為はしていないと潔白を強調し、問題を報道した新聞社を訴える構えだ。

8月11日に、湖北省衛生庁は女児らに対して再検査を行った。その結果、「女性ホルモン値異常や骨年齢の発育が促進されるなどの異常を認められず、単純に乳房の発育が早くなっただけで、仮性の性早熟に属する」との判断を下した。さらに、検査に参加した医師は「成人も乳児も値にそれほどの差がない」と発言し、保護者らは検査結果に不信感を抱くようになった。

マスコミの盛んな報道で、問題を重く見た衛生部も調査に乗り出し、北京市疾病予防コントロールセンター、中国検験検疫科学院に問題の粉ミルクの検査を依頼した。女児らが飲んでいた粉ミルクを含む聖元粉ミルクの41サンプルと他社の粉ミルク31サンプルに含まれる女性ホルモンと妊娠ホルモンを調べた。その結果、いずれも国内外で発表された文献が示す一般値にとどまっていると発表し、「性早熟との関連性を認められなかった」という。

衛生部の発表に、大手ポータルサイト「網易」に利用者からコメントが殺到した。ある利用者は「なぜ他社の粉ミルクと比べて結論を出すのか。全部数値が高ければ、聖元ミルクも問題がないという発想はそもそもおかしい。しかも、なぜ文献の記載と比べているのか。明確な基準値がないのか」と衛生部の調査手法に疑問を呈した。

ほかにも「記者会を行わなくても、結果はとっくに分かっていた」「予想通りの発表」など政府の調査に不信感を示すコメントや、「女性ホルモンと関連がないなら、原因は何か、はっきりせよ」と原因究明を求める声があった。

(翻訳編集・高遠)
関連記事
香港では「国家安全法」を導入したことで、国際金融センターとしての地位は急速に他の都市に取って代わられつつある。一方、1980年代に「アジアの金融センター」の名声を得た日本は、現在の状況を「アジアの金融センター」の地位を取り戻す好機と捉えている。
メディアのスクープ話が世の中を動かす。特に最近は「文春砲」など週刊誌メディアの元気が良い。同時に報道のありかたが問われている。国が国民の幸福を奪うことがあったら、ある程度、国家権力の作ったルールを逸脱する「反社会性」を持ち、戦わなければいけない時がある。記者は反社会的な面を持つ職業で、メディアは反社会性を持つ企業なのである。
米空母、台湾防衛態勢に 1月29日、沖縄周辺海域で日米共同訓練が挙行された。日本からはヘリコプター空母いせが参 […]
上川陽子外務大臣は、パナマ在留邦人及び進出日系企業関係者と昼食会を実施した。日・パナマ間の経済分野における協力の可能性や課題、教育などについて、意見交換を行った。
2月23日午後、上川陽子外務大臣はパナマ運河視察を行った。日本が主要利用国であるパナマ運河の安全かつ安定的な利用環境確保に向けた連携を維持すると表明