「幹部のサインにもからくりがある」 元副市長、中国官界の闇を明かす

【大紀元日本8月18日】41歳の姜宗福氏は湖南省臨湘市の副市長を務めていた。今年、ネット掲示板で不動産価格の高騰や、中国の著名な映画監督張芸謀によるパフォーマンス「山水実景演出」を実名で批判したことで有名になったが、出世の道も閉ざされてしまった。副市長を退任した同氏はこのほど、国内紙・広州日報のインタビューに応じた際、中国官界の暗黙のルールを明かした。 

姜氏によると、暗黙のルールは様々なところに存在し、幹部のサインにもちゃんと意味があるという。例えば、横書きのサインであれば、「しばらく放置していい案件」を意味する。縦書きであれば、「最後まで遣り通すように」の意図をほのめかす。「同意」の後に中黒の点をつけたら、「全身全霊で成功させるように」とのメッセージが含まれている。「同意」の後の点が単なる丸であれば、「百パーセント見込みがない」、つまり、同意と書いても「空っぽ」になるという意味が込められているという。

さらに、中国の幹部が経験する4つの試練を挙げた。金銭と美女からの誘惑は言うまでもない。「信じられないかもしれないが、内陸部の県レベルの幹部は、不正をしなければ給料は生計を立てられないほど低いものだ」と話す。もう一つは幹部の権力は小さいわりに、責任は重大。副市長は強い権力を持っていると思われているが、実はそうではないという。最後に、官界で独立した人格を守れるかどうかが最大の試練だと氏は語る。

姜氏は今年1月、実際の山と水に周囲を囲まれた劇場で劇を上演する映画監督張芸謀の「印象シリーズ」をネットで、「高額な制作費のわりに、手法が古臭く、何が何でも山水実景演出を謳い、中国の観光地をだめにしてしまった」と痛烈に批判した。

また、4月にネット掲示板で、高騰する不動産価格について、経済学者に責任があるとの内容を書き込んだ。「税収は国民収入のバランスを調整するための最適な手段なのに、経済学者は政府に税収改革を進めるのではなく、利上げばかり煽っている」と多くの経済学者は利益に目がくらみ、それが国の政策に影響しているという。また、都市建設の大躍進によって、耕地面積が減少し、都市部と農村部の格差を広げたことも、不動産価格を高騰させた理由の一つだと分析した。

いずれも実名で書き込んだため、姜氏はネットで有名になったと同時に、市幹部らの逆鱗に触れた。市からネット書き込みを止めるよう圧力を掛けられ、その1週間後に辞令が出て、姜氏はある大学に異動させられた。

退任後、姜氏は「残念なことに、私は臨湘市を変えることができなかった。しかし、幸運なことに、臨湘市は私を変えることもできなかった」と振り返った。

(翻訳編集・高遠)
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