漁船衝突で容疑者逮捕 中国、反日の声が高まる

【大紀元日本9月10日】沖縄・尖閣諸島近海の日本領海内で、海上保安庁の巡視船と衝突し逃走を図ったとして8日、中国の漁船の船長(41)が逮捕された。

海上保安庁によると、漁船は停船命令を無視し、方向転換し巡視船に衝突、検査を妨害した疑いが持たれている。船員15人は全員中国人とされている。

日本側は、「法令に基づいて厳正に対処していく」ことを強調しているが、中国側はこれに対して、同諸島の領有権を主張し反発している。新華社報道では、「日本の海上保安庁の巡視船がやって来て、漁船に衝突した」と報じており、日本(が主張する)の領海内だったことは伝えていない。中国外交部は日本政府に対して強く抗議したと同時に、逮捕した船長の解放を要求している。

このニュースは中国の民間でも日本に対する反発を呼び起こしている。北京の日本大使館前で8日、尖閣諸島の中国領有を訴える「中国民間保釣連合会」の30人が、横断幕を掲げスローガンを叫んで抗議したが、現地警察は制止しなかったという。

尖閣諸島を巡る領有権について日中両国で議論になっていることを知らず、中国メディアの宣伝で中国の領土と信じ込む中国のネットユーザーは、ネット上で過激な日本批判を繰り広げ、日本製品のボイコットを呼びかけている。「中国の地で中国人を逮捕するなんて絶対に許さない」や「「政府は何をしているのか!派兵して日本を釣魚島(尖閣諸島の中国名)から排除せよ」「漁船ではなく空母だったらよかった」「無期限に日本製品をボイコットしよう」などの書き込みが相次いだ。

一方、「幹部や金持ちは豪邸を守らなければならないから、衝突をエスカレートさせることはない。ここで過激に発言しすぎると、船長が日本の刑務所に入った時には、あなたは中国の刑務所に入ることになるよ」と冷やす声や、「スバルに乗って、ソニーのテレビを見て、ケンウッドのオーディオを聞いて、吉田カバンを使っている僕には日本製品のボイコットは無理だ」などの声も出されている。

また、9日の中国新聞社電によると、今回逮捕された漁船の船長の85歳の祖母が、孫の逮捕を知り、ショックで8日午後に他界したと伝えている。中国外交部の姜瑜・報道官は同日の定例記者会見で、「(衝突は)すでに中国国民の強烈な反応を引き起こしている」と強調した。容疑者の祖母の死は同情を集め、日本への批判がさらにエスカレートすると懸念されている。

(翻訳編集・張YH)
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