EUと米国、中国の台頭に異なる見解=欧米の世論調査

【大紀元日本9月21日】世界各地に勢力的に拡張する中国だが、米国とEUの人々は、中国の台頭について

同調査は、 米国ジャーマン・マーシャル基金(GMF)とイタリアのサンパオロ慈善事業財団によるもので、毎年9月15日に発表される。調査は、米国、トルコ、EU加盟11カ国の1万3千人を対象に、電話・面接のインタビューを通して行われた。

中国の台頭について

「中国は将来、確固たる主導権を発揮する」という表記に賛同した米国の回答者は71%であるのに対し、EU諸国の回答者はわずか34%が賛同。EU諸国は81%が「米国が将来、確固たる主導権を発揮する」と予測し、さらに75%が「ヨーロッパが主導権を発揮する」としている。インドに関しては、 EU諸国の54% が「インドが強力な主導権を発揮する可能性は低い」と回答したのに対して、米国の74%が「インドがリーダーとしての役割を果たす可能性は高い」としている。

世界に対する中国の影響

一方、グローバル問題への中国の取り込みについては、米国もEUも、中国は世界に消極的な影響を与えているとの見解で一致している。

「国際紛争、世界の貧困撲滅、気候変動への取り組みにおいて、 中国が積極的な役割を果たしている」という表記に賛同する回答者は、米国、EU諸国とも20%に満たなかった。

「気候変動への取り組みに中国は消極的な役割を果たしている」に賛同する米国の回答者は74%に及び、EUの55%を遥かに上回った。また、「国際紛争の取り組みに関して中国は消極的な役割を果たしている」という表記に賛同する回答者は米国58%、EU32%だった。

国際舞台での中国の役割に関して、全般的には、欧州は米国に比べ、積極的でも消極的でもないという見方が強かった。

中国との価値観

米国の53%の回答者が「米国と中国は、国際問題で協力する上で十分な共通した価値観を持っている」としている。これとは対象的に、EU諸国では63%が「中国とヨーロッパは価値観が異なりすぎるため、国際問題で協力することは不可能」と回答。

しかし、EU加盟国内でも意見は異なり、「国際問題で協力する上で十分な共通の価値観がある」とする回答者はドイツではわずか18%だが、オランダ(43%)、英国(41%)は遥かに上回っている。中央および東ヨーロッパでも、 この表記に賛同する回答率は異なり、ポーランド22%、スロヴァキア23%、ブルガリア34%、ルーマニア37%とばらつきをみせている。

中国の軍事的脅威

米国52%、EU57%の回答者が、中国の軍事的な脅威は感じられないとしている。しかし、米国では48%が軍事的脅威を明らかに感じており、EUの35%を遥かに上回る。トルコではわずか15%が軍事的脅威を感じており、ヨーロッパでの危機感の希薄さを示している。

中国の経済的脅威

欧米両地域の49%の回答者が、「中国は経済的なチャンスというより経済的な脅威」としている。EU加盟国内では見解が異なり、オランダ(64%)、英国の(54%)が「中国は新たな市場であり投資の見込みがある」とするのに対し、ポルトガル(64%)、フランス(63%)、スペイン(58%)は「中国は経済的な脅威」と見解している

同調査は、 米国ジャーマン・マーシャル基金(GMF)とイタリアのサンパオロ慈善事業財団によるもので、 ポルトガル・アメリカ財団、スペインのBBVA基金、米国ティッピングポイント基金が支援している。

(編集・鶴田)
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