中国の中年層、過半数に心理的老齢化

【大紀元日本9月29日】英国の民間健康保険組合BUPA(British United Provident Association)の健康小グループが24日発表した国際健康医療研究報告によると、中国の45歳から54歳までの中年層の過半数が、自分をすでに老人と見なしている。

晩年の生活を憂慮する中国人

BUPAの意識調査によると、中国の中年層の28%が、自分が老いた時のことを考えると気持ちが落ち込むと答え、26%が老いることに恐怖を感じていると答えている。また30%が晩年の生活に不安を感じ、91%が高齢者に対する配慮を政府が向上させる必要があると考えていることが明らかになった。

アンケート回答者の64%は、60歳にならなくても自分は年寄りだと考えており、この中の33%が老後のために貯金をしているという。60%が晩年の生活に不安を感じ、自分で生活できなくなったら、家族が面倒をみてくれることを希望すると答えている。

この報告には多くの中国人が注目しており、「心理的老化」と「老後に頼るものがない」ことに対する不安が中国の一世代を悩ませている中国の現状を映し出していると多くの人が考えている。

社会の隠れた不安を生んだ一人っ子政策

「子を養って老いに備える」という中国の伝統的観念は、一人っ子政策により乱された。今年9月25日、30年目を迎えたこの政策が、徐々に複雑な社会矛盾へと発展している。

健全な社会保険制度のない中国では、労働者の4分の3に正式な退職金がない。これらの人は老後、貧窮し、退職金や医療保険や家族による世話の欠如に直面している。

データによると、現在の人口推移の傾向に変化がなければ、中国では、2040年に60歳以上の人口が総人口の28%を占めると予想され、現在の11%をはるかに上回る。定年退職人口が増え続けるのに対し、就業者は年々減少しているため、深刻な資金不足の生活保障システムに、さらに大きなプレッシャーがかかると見られている。

社会科学院の葉延芳教授はBBCの取材に対して、「一人っ子政策」が倫理に欠けた生存環境を作り出したと述べている。このような環境で育った一人っ子の多くは、冷淡で自己中心的であり、さらに脆弱であると同教授は指摘する。

また、米ウィスコンシン大学の中国人学者・易富賢氏は、一人っ子政策がもたらす悪影響が2012年に全面的に現れると予想している。この時、中国では労働人口が減少し、老齢扶養人口の比率が急激に上昇する。そして、国民は豊かになる前に老いたり、独身者が増える危機が起きるという。2016年、30%近い結婚適齢期の男性が結婚できない、と予想される。また、2012年から中国の総労働人口は急激に減少するとみられ、それは中国経済が下降線をたどることを意味していると同氏は考えている。

最近、中国沿海の工場で、出稼ぎ農民工の不足が顕著となっている。現在、中国の労働人口と定年退職人口の割合は5対1だが、2040年には2対1になると予測されている。

(翻訳編集・坂本)
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