中国、突然の利上げ 様々な見解

【大紀元日本10月21日】中国人民銀行(中央銀行)は19日、1年物の定期預金の基準金利と貸出基準金利を、いずれも20日から0.25%引き上げる方針を明らかにした。これにより1年物の定期預金の基準金利は2.50%に、同じく1年物の貸出基準金利は5.56%となる。

人民銀行は利上げの理由について触れていないが、19日付の国内「証券時報」によると、同行貨幣政策委員会のメンバーで、清華大学の李稲葵教授は、「現在のインフレへの懸念が利上げの実施に踏み切った原因である」と語っている。

中国では食品や穀物を中心とする物価が上昇しており、8月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比で3.5%の上昇を見せた。7月のCPI上昇率は3.3%と、2カ月連続で中国政府の年間目標である3%を超えた。また、9月のCPI上昇率については、3%を大幅に上回ると中国国内のエコノミストは予測している。

一方、中国人民銀行の周小川総裁が13日に今年中の利上げは行わないと発言したにもかかわらず、予想外の利上げ措置に踏み切ったことついて、専門家は中国のインフレリスク関連以外に、様々な見方を示している。約3年ぶりの利上げは不動産価格のさらなる上昇を防ぐために各商業銀行に出した強いメッセージだという見方がある一方、過熱する経済の軟着陸をはかり、今後新たな金融引き締め対策が講じられていくだろうとする分析もある。

また、今回の利上げは、11月中旬に行われるG20会合を前に人民元を上昇させ、通貨安競争を防ぐよう、中国と米国との間で合意したものと見られている。

さらに、利上げの結果、人民元切り上げに頼る必要性が低くなり、新5ヵ年計画で掲げられた経済構造の調整が進めやすくなるのではないかとも分析されている。

(翻訳編集・高遠)
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