中国人キリスト教信者、出国を禁止される

【大紀元日本10月23日】南アフリカで開かれる国際基督教福音派の会議に参加しようとした中国人キリスト教信者約200人が、中国からの出国を禁止された。

10月16日から25日の日程で、国際基督教福音派第3回ローザンヌ世界宣教会議が南ア・ケープタウンで開催されている。9日間の会議中、4000人以上のキリスト教徒が世界各地から集まり、信仰、貧困、エイズなどについて討論する。

中国人信徒である劉貫さん(36)らもこの会議に出席するため、先週、北京国際空港から出発しようとしたところ、会議への参加は違法との理由で中国政府により出国を阻止され、家に送り返されてしまった。

ニューヨーク・タイムズの報道によると、劉さんらは17日、飛行機が南アへ発つ1時間前に、北京空港で待ち構えていた警察と政府職員6人にパスポートを没収されたうえ、海外メディアに口外することを禁じられたという。

劉さんと一緒に送り返された北京の教育関係者(25)は当局に対しパスポートを没収した理由を求めたが、彼が自分の意志でパスポートを警察に手渡したという短い返事が返ってきただけだった。

政府外交部の馬朝旭スポークスマンは先週金曜に発表した声明の中で、同会議組織者は、中国の合法的なキリスト教徒を招待せず、密かに私設集会所のキリスト教徒を招待したとしている。この行動は公の独立した、自主的な国内の宗教協会に対する挑戦であり、中国の宗教事務に対する手荒な関与であると批判している。

これに対し、会議議長を務めるダグラス・バーセル氏は、中国政府が許可している三自運動(愛国運動のひとつとして起こったキリスト教革新運動)の中国プロテスタント教会を招待したが参加を断ってきたと伝えている。

中国には数千万人のキリスト教信者がいるが、彼らの多くは共産党が管理する教会に通わず、当局の介入を拒否する教会へ礼拝に行っている。これらの教会は「地下教会」で呼ばれ、しばしば当局の弾圧を受けている。

会議に招待された中国の参加者の声明によると、7月から招待を受けた信者に中国政府がアプローチ、彼らに会議に参加しないよう強制した。当局の圧力で信者らはパスポートを取り上げられたり、政府による教会への報復を受けたり、拘束を受けることもあった。

中国の憲法は宗教の自由を保障すると規定しているが、実際のところ、共産党の管理を拒否する信者や宗教団体に対して弾圧が行われている。

中国政府に認められている中国のカトリック教の代表、すなわち中国カトリック教愛国協会は、ローマ法王を認めていない。このため、2005年、ローマ法王ベネディクト16世は中国のカトリック教徒4人をローマで開催された会議に招待したが、中国当局はこの招待を辞退し、会議への参加を拒絶した。

(翻訳編集・坂本)
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