「購買力を低く見積もっていた」 中国の海外不動産投資、日本も規制策

【大紀元日本12月8日】先月29日、高橋はるみ北海道知事は道議会で、外国資本による森林や沼地の土地取引に際し、事前の届け出を求める条例の制定を示唆した。こうした規制措置を設けるのは日本がはじめてではない。南米やブラジル、南アフリカなどの国も外国投資家による土地購買に慎重な対応を取っている。

2日付の人民日報電子版は、「済州島を買い込む」「日本を買い取る」「マンハッタンを買い漁る」などの大げさなキャッチフレーズが国外市場に警戒感をもたらしたと指摘した。一部の国では不動産投資への誘致政策から一転して、それを規制する動きを見せている。中国の業界関係者は「これらの国は当初、中国人投資家の購買力を低く見積もっていた」と規制に転じた原因を分析している。

中国人投資家の購買力には、目を見張るものがある。先月14日、米マンハッタン・アッパーウエストサイドで行われた新築高級マンションの説明会に中国系とみられる参加者200人が購入の意向を示したという。また、今年のゴールデンウィークに150名余の購買団がチャーター機で韓国・済州島入りし、滞在期間中に総額1.8億元(約25億円)の不動産物件58件を購入したと伝えられている。日本でも東京都内の1億円台の高級マンションや北海道の別荘が中国の富裕層に人気だという。

高橋知事は前述の条例について、北海道の土地や水資源が外国資本に占有されないための防止策と位置づけている。中国の予想を超えた購買力は、中国が他国の不動産市場に影響を与えるという範疇に止まらず、不動産価格の変動により自国民の生活に影響を及ぼし、ひいては政治・社会不安なども引き起こしかねない。中国紙・国際金融報は、各国の予想を超えた中国投資者の「ホットマネー」や「グレー収入」の流入が、その国の経済大局にさえ波及する可能性が生じているため、多くの国は政策転換を意識し始めている、と分析する。

国際金融報は同時に、海外への不動産投資が中国本国の経済にも影を落とすと指摘する。非正規収入となる「グレー収入」が大量に国外市場に流出することは中国経済にもダメージを与えるため、中国政府の対応策も必要だとしている。

(翻訳編集・張凛音)
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