<写真でみる中国>家賃払えず 自作「卵型ハウス」に住む=北京の若者

【大紀元日本12月10日】冬の北京は寒い。こじんまりした卵型ハウスの中は柔らかい白熱灯の光に包まれるが、室内温度は4.4°C。外気温とかわらない。ここは24歳の戴海飛(ダイ・ハイフェイ)さんの「自宅」。10月からこの自作卵型ハウスに住みはじめ、家賃なしの気ままライフを満喫できたのも束の間、メディアの報道から多くの注目を浴びたため都市管理の「城管」の目に留まり、とうとう撤去されてしまった。

北京地方紙・新京報は卵ハウス撤去直前の1日に戴さんを取材していた。北京海淀区の建築設計会社に半年前に就職した戴さんは、仕事で手掛けた移動式ハウスからヒントを得て、自分用の卵型ハウスの製作を思いついた。「北京の家賃は高すぎる。これで浮いたお金でたまにはカフェにでも行ける」と戴さんは製作の動機を話した。

戴さんは湖南省出身の「北漂(地方出身で北京で『漂流』する人たち)」。田舎にいる両親は1人息子が北京で家を買う資金を捻出するため、建築現場や清掃工を転々と勤める。「彼らは知らないんだ。彼らの給料で北京で家を買うには2、3百年かかるってことを」と戴さんはつぶやいた。

一念発起した戴さんは8月に卵型ハウス製作をスタート。竹で骨組みを編み、保温や防水シートもしっかりこしらえ、卵の「外皮」として木材チップや草の種などを詰めた麻袋で全体を覆った。下部には車輪を付け可動式に、上部には太陽電池パネルも取り付けた。製作期間は1カ月強で、建設費は6400元(約8万円)だったという。

勤め先の敷地内に設置された「自宅」は会社とは目と鼻の先。便利さや懐へのやさしさに大満足の戴さんは、「春先には草も生えてくるよ」と長期居住を望んでいた。

戴さんの卵型ハウスはたちまち世間の注目の的となった。手の届かない高値の北京の住宅。それならアイディア勝負のハンドメイド住居。戴さんの苦悩と発想に多くの人が共感した。しかし道路沿いの無許可「住宅」に関心を寄せたのはメディアや市民だけではなかった。戴さん所在の海淀区の「城管」(都市管理人)が卵型ハウスは「法規違反」だとして、撤去を要求した。

そして4日の夜、戴さんは友達や同僚と一緒に卵型ハウスをトラックに乗せた。「しばしの間、タマゴを撤収。許可の申請もしている。草が青々と茂るころには、またそこに住みたい」と、7日に更新したブログに戴さんはつづった。

(STR/AFP/Getty Images)

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(張凛音)

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