【生活に活きる植物】 24・石蕗(ツワブキ)

【大紀元日本12月24日】ツワブキは日本原産で北陸地方以西の湿った日かげ、岩場などに自生するキク科の常緑多年草。インド、中国にも自生しています。晩秋に鮮やかな黄色の花を多数付け、葉の色や形の変化もあり一年中鑑賞できることから、日本庭園の石組みの間などに好んで植えられます。葉は丸く腎臓形で名前の由来となる艶があり、緑葉のほかにも黄色や白色の斑入りなどバラエティーに富んでいます。生薬名は橐吾(たくご)といい、乾燥した根茎や葉が利用されます。

【学名】Farfugium japonicum、
【別名】艶葉蕗(つやばぶき)、大呉風草、イシブキ、ツワ
【成分】精油(ヘキセナール、ツワブキ酸)

【薬用効果】ツワブキの葉や根茎には抗菌作用があります。乾燥物10~20gを煎服すると健胃作用もあり、食あたりや下痢に効果があります。フグやカツオなどの魚毒にも有効です。生の葉は火であぶり、柔らかくなったらちぎって患部に貼ると打撲、おでき、切り傷に効果があります。主に民間薬として使用されてきました。

【食用】葉はてんぷら、油いためにします。若芽は水に晒し、湯がいてアクをとり、お浸しに、また、フキと同じく煮物「キャラブキ」にして食べます。宮崎県の海岸沿いでは2月に新芽が出るそうです。初冬の蕾や花はてんぷら、酢の物にします。

【余談】形態的に似ている同じキク科の蕗(フキ)は夏緑性で早春に花が咲き、フキノトウとしてもよく知られますが、石蕗(ツワブキ)は常緑性で花が秋に咲くなど生物学的には大きく異なります。

染色には緑葉を用い、アルミやスズの媒染で黄茶色、クロム媒染で芥子色、銅媒染でオリーブ色に染まります。

(文/写真・ハナビシソウ)