中国、EUにレアアースの供給確保を承諾

【大紀元日本12月24日】中国と欧州連合(EU)は21日、北京で開かれた第3回ハイレベル経済対話を終了した。英BBCの報道によると、EU貿易委員会関係者が22日の記者会見で、中国側はEUに対して、輸出量こそ未定だがレアアース(希土類)の供給保障を承諾した形になったと発表した。

今年9月、尖閣諸島で中国漁船と海上保安庁の巡視船が衝突した問題に絡み、中国はレアアースの日本輸出を一時停止した。10月中旬には、中国の税関当局は欧米向けの輸出にストップをかけた。さらにその後、中国の英字新聞チャイナデイリーの報道で、中国側が来年のレアアース輸出枠を最大30%削減する方針を示したことから、欧米各国に緊張が走った。

レアアースは携帯電話やコンピュータ、家電製品及びハイブリッド車には欠かせない原材料である。しかし、欧米の企業はレアアースの在庫を保有していないことから、中国の輸出枠削減によって深刻な影響が広がる。現在、欧米各国はレアアースの自給向上策を開始しているが、当面は、世界供給量の97%を担う中国に依存せざるを得ない。

英BBC中国語サイトの報道によると、EUは中国にとって最大の貿易パートナーであり、今年11月までの対中貿易額は4339億ドル(約36兆8815億円)で、前年度比33%も成長している。今回の対話で、相互投資を増加することに意見一致したことから、中国側のEUへのレアアース輸出は少し形が見えたという。

一方、EU域内の財政危機に陥った国に対して、中国の王岐山副首相が支援協力を表明し、実際の行動でEUの一部の国家の財政危機に対応する考えを示した。

10月にギリシャの国債を購入した中国政府は、先週もポルトガルに対して同国国債を40億ドル(約3400億円)購入する意向を示したという。

(翻訳編集・豊山)
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