中国、初の「反腐敗白書」発表も国民が猛反発 専門家「体制に問題」

【大紀元日本1月3日】中国国務院は昨年12月29日に、政府や共産党幹部の横領、贈賄、汚職などの取締状況をまとめた「反腐敗廉潔政治建設白書」を発表した。初めて発表される同白書は、国民の不満を和らげることが狙いとみられるが、いっこうに減らない腐敗は国民の政府不信を募らせている。一方、専門家は取り締った件数よりも体制に存在する根本的な問題の解決が重要だと指摘した。

白書によると、03年から09年の間に計24万件以上の汚職事件が立案捜査されている。また、商業贈賄罪の取り締まりが強化された05年から09年までに、全国で計6万9200件以上の商業贈賄事件が処理され、関係金額は165億9000万元に上るという。

また白書では、中国共産党員に対して個人収入、投資情報の提出が義務づけられており、政府側の各種会議や活動の過度な消費も規制されている。

海外中文メディア「看中国」は、発表されたデータ以外に、閣僚級の大物が背後で操作している多くの重大案件は実質上まだ摘発されておらず、汚職問題は依然深刻だと指摘した。「ハエをたたき殺すだけでトラはたたかない」ような取り締まりでは、社会全体の腐敗を根こそぎ取り除けないと分析した。

英BBC中文ネットは専門家の意見として、腐敗はすでに体制に深く根付いたため、根本的な改革がない限り、規則の制定などの小手先の技では、腐敗問題は解決できないと指摘した。中国当局が2、30年かけて多くの反腐敗対策を講じても一向に問題解決につながらないのは、独立した司法やメディアの監督の欠如が主な原因だという。

一方、白書の中で、政府の反腐敗と廉潔な政治建設のために取り組んだ一連の対策について、国民の満足度は70.6%に達していると発表。これに対して、「公務員の中で行った調査を集計した統計だろう」など、インターネットへの書き込みが殺到し、ネットユーザーから猛反発を買っている。

(翻訳編集・豊山)
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