4年ぶりの胡錦濤訪米 強硬姿勢と協調ムードの同時進行

【大紀元日本1月19日】18日、胡錦濤主席の4年9ヶ月ぶりの公式訪米がスタートした。中国の国家主席が国賓として米国に迎えられるのは1997年以来のことだ。最高の格式で迎えられる胡錦濤は今回の訪米に先立ち、ウォールストリート・ジャーナルやワシントン・ポストとの書面インタビューに応じ、「ドルを基軸通貨とする国際通貨システムはもはや過去の産物である」と、強気の発言をした。

書面インタビューの中でさらに、「最近の米国の金融緩和策により中国へのマネー流入につながり、インフレを招いている」と批判した。

一方、胡の訪米を控え、中国政府は為替市場での元高期待による元買いを一時的に容認する態度をとり、14日の上海外国為替市場では、人民元相場が一時、前日終値比0.27%高の1ドル=6.5870元まで上昇。これは2005年7月の元切り上げ以来の最高値を更新した。中国人民銀行が公表した元相場情報で分かった。

さらに、米国に非難された米中貿易不均衡の問題をめぐって、米国産牛肉の輸入再開で米中が調整しているほか、今回の公式訪米に合わせて数兆円規模とされる大型商談を締結し、米国製品の輸入を増やす努力を見せている。しかし、いずれも不均衡を改善するための抜本的な解決策にはならない。

対米への強硬姿勢を示している反面、中国の米国重視の姿勢、対米関係の基盤改善を狙う意図がうかがえる。こうした苦肉の策は、中国の対米関係上で今いかに難しいかじ取りを迫られているかということを指し示した。今回の公式訪米は、外交儀礼上の双方の協調ムード演出とは裏腹に、人民元、北朝鮮、人権問題に関する米中双方の主張の隔たりは大きく、妥協点を見出すのは容易ではない。ワシントン・ポストの報道によれば、14日、クリントン国務長官は中国に関する演説で、米中関係は「重大な岐路」に直面していると明言している。

米中が国交正常化へ動き出した40年前の「ピンポン外交」以来の歴史的訪問として位置付けられている今回の公式訪米は、その一貫したやり方からすれば、中国国内の利権維持のための外交成果として、首脳会談後の共同声明の発表を望んでいるだろう。「重大な岐路」に直面している米中双方がどのような共同声明を出すのかは、今後の米中関係を占う試金石となりそうだ。

(林語凡)
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