米外交公電、中国前外交部長の突然の更迭劇の裏を明かす

【大紀元日本1月24日】最近公開された米外交公電によると、中国外交部の行為に不満を感じた胡錦濤主席は、07年に当時の李肇星外交部長を突然更迭した。06年4月の初訪米で盛大な招待を受けられず、さらに06年には3人の外交官が亡命しており、外交部の内部管理が混乱していたことなどが、胡主席の不満を募らせた理由として挙げられた。

ノルウェーのAftenposten紙が最近入手し公表した同外交公電は、米国の駐上海総領事館が07年5月24日に作成したものだとされている。ある著名な米中問題の専門家は、同年5月21日にケネス・ジャレット米総領事との昼食会で、李肇星・前外交部長が突然更迭されたのは、同氏の率いる外交部に胡主席が強い不満をもつためだと証言していた。

同情報筋によると、胡主席は、06年4月の訪米が思うとおりに進められなかったことには、当時の李肇星・外交部長の責任は逃れないと怒っていたという。

米国訪問中、当局に弾圧されている法輪功の学習者がホワイトハウスの前で抗議活動を行ったほか、ホワイトハウスと迎賓館のブレア・ハウスに中国の国旗さえ掲げられておらず、米政府主催の晩餐会もなかった。米国から国賓級の招待を受けられなかったことで胡主席は憤りを感じていたという。駐ワシントンの中国大使館は米国側の歓迎式典の進行資料を事前にチェックしたが、当日、米国政府は中国側の要求通りに事を運ばなかったという。

同情報筋は、当時の中国外交部の管理がしっかりしていなかった例もいくつか挙げている。06年の1年間で、3人の外交官が国外亡命しており、60人を超す外交部職員が党内の取り調べを受けた。「在任期間中に更迭されるのは極めて異例のこと。最高指導部は後継者すら決めていなかった」と同情報筋は語っている。

同外交公電によれば、。李肇星・前外交部長は突然の更迭劇にショックを隠せなかった。本人は08年春の任期満了まで務められると思い込んでいたからだ。「胡主席は李肇星氏のことが好きじゃない、(その後任の)楊潔チ氏が好きだ」と、同情報筋は07年5月14日の会合で語った。

楊潔チ氏はかつて駐米大使を務めたことがあり、米国通とみなされており、対米関係が良好のため、中国最高指導部の指示を徹底的に履行するだろう、と同情報筋は予測していた。

Aftenposten紙はこのほど、民間の告発サイト「ウィキリークス」から入手した25万通の米国外交公電を順次にインターネットなどで公開していく予定だという。

同紙のエムリド編集長は、自社の方針に沿ってメディアの職業規範を守りながら、インターネットと紙面で選別した外交公電を公表していく、という意向を示し、関連する個人や国の安全問題は考慮すると強調した。

一方、これらの外交公電の取得方法については、同紙は説明を避けており、金銭取引なしでこれらの公電の完全な使用権を有している、と立場表明をしている。

(翻訳編集・叶子)
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