深刻な化学工業汚染に苦しむ村=湖南省

【大紀元日本1月31日】湖南省宜章県の梅田鎮は平素から「湘南煤都」や「有色金属の郷」と呼ばれ、深刻な化学工業汚染を受けてきた。現地の村民代表者は何度も上級主管部門や市政府に赴き汚染問題解決を訴えてきたが、毎回「梨の礫」だという。

工場からの排出ガスで空は曇り、汚染された水で白米は変色(ネット写真)

汚染のため作物の収穫はほとんど望めない

国内サイト「湖南之声」27日の報道によると、鉄道や高速道路が交差する地点で、湖南省「百強鎮」のひとつと呼ばれる梅田鎮の梅田村では、化学製品工場による深刻な汚染のため作物の収穫がほぼ望めなくなった。このため村民は自分たちの食べる食糧でさえ半年で使い切ってしまい、残りの半年は米を買って日々を過ごしているという。

梅田村の幹部の黄文平さんによると、80年代まで梅田村は県内でも有名な食糧生産地だったそうだ。しかし化学製品工場が村に設置されてからは、農作物の生産や生活環境が日増しに悪化していったという。

汚水を流す排水溝が稲田より高い位置にあるため、汚水が直接農田の中に流れ込み、沈殿した汚染物質の上には緑色の液体が厚く覆い被さっている。このような汚染は村の井戸にも見られる。村民によると5つある井戸には汚水が浸込んでおり、その内のひとつの井戸を無理に使用しているが、それ以外は容器入りの飲用水を購入している。また、汚染により収穫した穀物はすべて赤、黄、緑さらには黒い色がついているという。

村民らは汚染の事実を上級主管部門や鎮政府、県政府、県環境保護局、市政府に訴え、汚染問題の解決を求めてきたが、全く対応されていない状態だ。

企業誘致と環境保護、どちらが大切か

「湖南之声」が報道後に出した評論では、梅田地区の農田、水質、大気の汚染は30年以上問題になっているにもかかわらず一向に解決していないことを指摘し、現地政府の怠慢を批判した。また、人々の暮らしを第一にすべきであり、企業誘致や資金導入は地方経済の発展と就業機会の拡大はできても、環境保護の大切さとは比べられない。政策において何を重く見るべきか、疑問を投げかけている。

(翻訳編集・坂本)
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