核関連部隊、飢えのため作業拒否か 軍部に忍び寄る食糧難=北朝鮮

【大紀元日本2月10日】脱北知識人団体「NK知識人連帯」は8日、北朝鮮の核兵器関連部隊が食糧難による空腹から不満を爆発させ、集団で作業命令を拒んだ、と朝鮮軍筋からの情報をホームページを通じて伝えた。その後、反抗は軍の保衛司令部に鎮圧され、同部隊の幹部らも処罰されたという。

騒ぎは先月17日、朝鮮人民軍の131指導局47旅団で起きた。朝鮮労働党の軍需工業部に直属する131指導局は、約10カ所の核兵器開発研究所を管轄し、核兵器の生産計画を統括管理している。47旅団はその中でウラン鉱石の採掘を担当する部隊とされる。

NK知識人連帯はさらに保衛司令部の統計を引用して、北朝鮮の約7割の部隊は味噌汁の代わりに、塩だけのスープを口にしていると伝えた。江原道の部隊では、昨年11月から今年1月までの間、兵士7人が餓死し、咸鏡南道の部隊は食糧欲しさに、平壌と清津をつなぐ道路で道行く人や車両を襲撃し略奪を行う事件も起きているという。

また、ラジオ自由アジア(RFA)の先月27日の報道によると、江原道休戦線地域の兵士らは飢えに耐えられず、集団で脱走するケースがしばしばみられるという。

北朝鮮の昨年の穀物収穫量は、国連食糧農業機関(FAO)と世界食糧計画(WFP)による合同調査の結果、448万トンと算出されており、向こう1年間(10年11月~11年10月)に必要な535万トンを下回っている。

さらに金正恩氏の配慮として宣伝された軍用米徴収の軽減措置により、昨年の水害被害を受けた農民を対象に軍用米の徴収を大幅に減らしたため、軍部の食糧難に拍車がかかったとみられる。

一方、北朝鮮メディアは連日、世界の食糧難や食品価格の上昇を報じている。北朝鮮の苦境もこういった世界的な流れだと国民に思い込ませ、不満を鎮めようとする狙いだ、と韓国メディア・聯合ニュースは専門家の分析として伝えた。食糧難に関する相次ぐ報道は、金正恩氏の安定した後継体制の確立をはかるための動きだとも捉えられている。

(翻訳編集・張凛音)
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