中国の物価高騰・賃金上げ、韓国を直撃

【大紀元日本3月1日】中国で、食品や資源を中心とする物価高騰が続く中、労働コストの上昇にも拍車がかかっている。中国と緊密な貿易関係にある韓国にとって、その影響は深刻化している。

韓国紙・朝鮮日報は、中国への輸入依存度の高い韓国にとって、中国発のインフレが大きな脅威となっていることを連日報道している。中国は、韓国の年間輸入総額の16.9%を占める最大の輸入相手国である。中でも生活用品や繊維製品は、輸入総額の5割以上を中国に頼っており、農産品も15%を超えている。かつての「世界の工場」中国に頼ってきた韓国市場は、中国発インフレ「チャイナフレーション」(chinaflation: ChinaとInflationの造語)に困惑しているという。

物価の上昇にともない、労働コストの上昇も韓国経済を直撃している。山東省威海にある韓国企業・KC皮革公司は昨年から、韓国向けの輸出商品の価格を引き上げる事態に追い込まれている。威海の労働コストが急上昇したためだという。

昨年以来、同社の労働賃金が3割近くも上昇している。威海市政府は今年に入ってから、市の最低賃金水準を26%引き上げると発表。さらに7月から、企業は、被雇用者のために5つの社会保険を支払うことも義務づけられている。見込まれる企業の負担増に対し、同社長の白さんは「すでに従来の200名の従業員を半減させて経営しており、これ以上のコストダウンは不可能だ。韓国への輸出価格の引き上げはやむを得ない。値上がり率は5%~15%になるだろう」と語った。

一方、賃金上昇による人手不足も深刻になっている。昨年の沿海部の賃金上昇に続いて、内陸部でも賃金の上昇が始まっている。これに伴って、沿海部から内陸部への労働移民が生じており、沿海部の人手不足が深刻化している。労働力の不均衡を解消するために今度は人件費を上げ、その上昇分を製品価格に転嫁する。インフレサイクルのさらなる加速が懸念される。

(翻訳編集・林語凡)

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