中国、ネパールに1900万ドル相当支援 チベット独立派牽制への布石か

【大紀元日本3月26日】中国人民解放軍総参謀長・陳炳徳上将(大将)は24日、2日間のネパール訪問を終えた。中国武装警察部隊司令・王建平中将、チベット軍区司令・楊金山少将も同行した今回の訪問は、中国軍の将官によるネパール訪問としては10年ぶり。この訪問を通じて、中国がネパールを懐柔するため1900万ドル(約16億円)相当の援助を提供しようとしていることは、ネパール国内のチベット独立派を牽制するための布石とも見られる。BBC中国語版が伝えた。

ヒマラヤ山脈の中に位置するネパールは、北はチベットに隣接し、他の三方をインドに囲まれている。

今回の訪問で中国側は、ネパールのラムバラン・ヤーダブ大統領、マダブ・クマル・ネパール首相、ネパール軍のクーロン参謀長らと会談し、中国がネパールに対して1900万ドル(約16億円)相当の援助を提供し、ネパール軍の基礎的建設に中国が寄与するという内容の協議を結んだ。

また陳上将は、中国軍の将官がネパールを訪問したことに対して疑念を抱かせないため、今回の訪問の目的はあくまでも中国とネパール二国間の軍事交流と協力にあり、それが相互利益をもたらすものとして、その他の国を指す意図はないと表明した。

中国官製メディアは、今回の訪問の中で、中国の主張する「一つの中国」政策をネパールは支持するとともに、「ネパール領内にいるチベット独立分子を取り締まり、ネパールにおいて中国を分裂させる活動はさせない」ことをクーロン参謀長が表明したと伝えた。

これに先立ち昨年10月には、ネパールの首都カトマンズで亡命チベット人らによって行われたチベット亡命政府の首相選挙および議会選挙の際、その投票箱がネパールの武装警察に没収されている。

(翻訳編集・余靜)
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