立ち退き補償問題で数千人が抗議デモ 武装警察装甲車が出動=雲南省

【大紀元日本4月2日】雲南省綏江県で25日、水力発電所建設のために強制立ち退きにあう数百人の住民が、土地収用の補償問題をめぐり、県政府庁舎前で道路を塞ぎ、横断幕を掲げ抗議した。抗議者数は日を追うごとに増え、29日には数千人に達し、当局公安は千人近い武装警察や装甲車を出動させ、抗議者を追い散らした。問題はまだ解決していない。

立ち退きを迫られているのは、雲南省と四川省の境界に住む住民。向家ダム発電所の建設に伴い、デモが起きた綏江県だけで2012年までに6万人の立ち退きが強要されている。しかし、政府当局が提示した補償金は少なく、補償内容も不透明であるため、住民らの不満が募った。

地元住民・熊さんは、あまりにも小額な補償金が抗議の理由だと指摘する。目撃者によると、25日当日、発電所建設業者の幹部の車が数百人の抗議住民を無視して

抗議住民が負傷(ネット写真)

強引に突き進み、複数の民衆が負傷した。これをきっかけに、抗議住民は数千人に増え、発電所建設側との大きな衝突に発展したという。

また、ネット上の書き込みでは、住民らは自分たちの権利を守るために道路を遮り、テントや蒸しパンなどを準備し、長期にわたる戦いに備えたという。一方、当局は抗議デモの情報が外部に漏れないように全県のインターネットカフェを閉鎖させ、すべてのインターネットを遮断させたが、ここ数日間、住民らと警察など政府関係者が体当たりする事件が何度も起きたという書き込みもあった。

地元住民の夏さんによると、政府は立ち退きした住民に毎月160元(約2千円)を支給するが、他の補助金から3万元(39万円)を差し引くという。また、立ち退きに関連する補償などで、隣の四川省との格差が大きいことと当局の資金の出納が不透明であるため、住民が不満を抱いていた。

さらに、地元政府は住民が転出した土地を土地開発業者に売り渡し、住民には安価な土地をあてがったことも今回の抗議事件の原因の1つだという。夏さんは、政府が住民に支給すべき資金を汚職した結果、住民らの手元に入る金額が微々たるものになったため、保障のない今後の生活を憂慮していると訴えた。

(記者・古清児、翻訳編集・余靜)
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