3年前のチベット弾圧 当時拷問を受けた僧侶が死亡

【大紀元日本4月8日】2008年3月14日に起きた中国政府によるチベットの民衆や僧侶への武力弾圧事件を原因とする新たな犠牲者が出た。この犠牲者はチベット人の僧侶で、3年前の弾圧事件後中国当局に逮捕され、残酷な拷問を受けたことで全身不随の深刻な後遺症が残り、今月3日に死亡したもの。VOAが伝えた。

死亡したのはチベット人の僧侶・ジャンヤンジンパ(蒋揚金巴)さん、享年37歳。

3年前、中国政府が平和的に抗議をする数百人のチベット人の僧侶らを武力によって弾圧し多くの命を奪った事件は、国際社会から強い関心が寄せられた。

その1カ月後、町が正常に戻ったことをアピールするために、中国政府は国内に駐在する外国人記者を甘粛省夏河県のラプラン寺に招待した。英語が少し話せるジャンヤンジンパさんは、そこで通訳を務めた。

チベット亡命人民議会のガサンジェンツァン(格桑堅参)立法議員によると、ジャンヤンジンパさんはその時、他の14人の僧侶とともに、招待された外国人記者に向かって、中国警察によるチベット人への暴行の残酷さと、チベットには宗教や信仰の自由などの人権がない現状を、涙ながらに訴えたという。

しかし同年4月9日、身を隠さずに寺にいたジャンヤンジンパさんは、中国当局に拘束され残酷な拷問を受けた。

ワシントンDCに本部を置くNGO団体、インターナショナル・キャンペーン・フォー・チベットによると、同年5月15日、拘置所からの連絡を受けて家族が駆けつけた時、ジャンヤンジンパさんは瀕死の状態で、両目は完全に失明し、記憶も喪失していたという。

前出のガサンジェンツァン議員は、3年前のチベット人弾圧事件以後、抗議活動に参加したチベット人僧侶、作家、記者及び一般民衆の多くは、拷問を受けて死亡し、数百人が行方不明になったと話した。

同議員は「中国共産党によるチベットへの武力制圧政策は、平和をもたらすどころか、チベット民衆の不満を募らせる一方だ」と指摘する。

今年3月には、四川省アバ州にあるガルダン寺の21歳のチベット僧が、「チベットに自由を」と叫んで焼身自殺する事件が起きている。

(翻訳編集・余靜)
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