高速道路真下のアパート 騒音に悩まされ15年=山西省

【大紀元日本4月12日】高速道路の真下にすっぽりとはまっている異様な建物が、山西省太原市の東山地区にある。下から見上げると、屋根が高速道路にくっつくようになっているコンクリート4階建てのアパートだ。このアパートは15年前に炭鉱労働者の寮として建てられたもので、ネットユーザーの間では「最牛楼房(最も頑固な建物)」として話題になっている。

1979年に東山炭鉱が建てたこのアパートは、この地での高速道路建設が始まった1994年当時、立ち退き整理の地区に入っていた。しかし、土地権利保有者である東山炭鉱側からアパートの住民へ立ち退きを求める話もなかったため、住民は引っ越す術もなかった。高速道路は1996年に完成し開通。同アパートはその後、高速道路の影に隠れたまま15年が過ぎた。

高速道路ができてから、現在もアパートにいる36戸の住民に共通する悩みが「ひどい騒音、採光不良、安全不安」だそうだ。中国経済週刊の報道によると、同アパートの住民・趙春梅さんは、「地震が怖くて眠れないのです。まるで頭に爆弾を載せているようなものですから」と不安な心情を語ったという。

趙さんは、道路建設中は毎日大型機械が出す巨大な騒音と、落下物が降りかかる危険と隣り合わせだったが、当時は何の疑問も抱いていなかったと話した。そして、危険は高速道路開通後も常に存在していた。2年前に、住民のお婆さんは高速道路から落下した石で足が折れる大怪我をした。これに対して、道路管理局は1万元(約13万円)の慰問金を被害者に渡した。また、同年の夏、高速道路の排水管から橋の下へと勢いよく流れ落ちる修繕用アスファルトを、ちょうどうその下を通った住民の李春香さんともう1人の全身に被せた事件もあった。当時は2人に対しそれぞれ3千元(約3万9千円)の慰問金が渡されたという。

趙さんは、「建物は炭鉱側のもので、われわれには居住権しかないため、当局も炭鉱側としか話をしていません」と話した。「十数年間徴収した通行料からわれわれが住めるアパートを建ててくれないのでしょうか」と、「いつか、事故で高速道路から車がわれわれのアパートに落ちてくれば、われわれもやっと引っ越せるかもしれません」と趙さんは独り言をつぶやいた。

(翻訳編集・余靜)

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