コスト高騰 メーカーの沿海部離れが進む

【大紀元日本4月27日】「世界の工場」中国では、ここ数年、人件費や原材料価格の高騰、人民元の上昇のため、各製造工場の利益が減少している。これを食い止めるために、最近、多くの企業で、製造工場を沿海部からより安価な内陸部や海外へ移転する傾向がみられている。

米VOAによれば、香港工業総会の珠江デルタ協会の劉展灝会長は、「(中国の)人件費は2010年に20%上昇し、今年もすでに約20%上がっている。この規模の上げ幅と上昇頻度は、これまで世界的にも見受けられなかった」と指摘した。

また、輸入原料価格の上昇は、強い人民元である程度は対抗できているが、中国産の原材料の値上がりのため、輸出価格を上げざるを得ない現状は、多くの企業を悩ませている、と劉会長は話した。ウォルマートなどの世界的なメインの小売業者に中国製品を輸出している香港の商社・利豊有限公司は、すでに先月、今年の輸出価格が15%の値上げになることを発表している。

さらに、高まる中国のインフレ率は、国内の多くの製造拠点を海外へ移転させる追い風となったようだ。フォックスコン(富士康)は、中国での生産コストの上昇を受け、昨年は赤字に転落。同社は内陸部への生産拠点の移転を進めてきたが、このほどさらに、ブラジルに120億米ドル(約9800億円)を投資しての工場建設計画を発表した。

一方、中国政府は、国内のインフレを抑え、物価と輸出製品価格の上昇を制御すると表明。社会不安を引き起こしかねない工場閉鎖や失業を懸念する中国当局は、人民元の上昇に慎重な対応を迫られている、とVOAは指摘した。

(翻訳編集・余靜)
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