馬英九総統、「中国・台湾省」の称呼でWHOに抗議 中国の圧力を強く批判

【大紀元日本5月12日】世界保健機関(WHO)が加盟国に配布していた内部文章で、台湾の称呼を「中華・台北」から「中国・台湾省」に変更した問題で、台湾の馬英九総統は10日、総統府で記者会見を開き、WHOの行為に抗議するとともに、背後に「中国当局がWHOに圧力をかけていた」として中国当局を強く批判した。

台湾紙・中国時報によると、馬総統は記者会見で、このような不公平、不条理なことは決して受け入れられないと強調した。また、馬総統の指示を受けた台湾外交部(外務省)はすでにWHOに対して抗議書簡を提出し、台湾と友好的な関係を持っている各国の支持を呼びかけたという。台湾はWHOに2009年の年次総会から「中華・台北」の名称でオブザーバーとして参加しており、会場での発言を行ってきた。

馬総統はさらに、「中国当局に厳正に抗議する。2008年の就任当時の講演で、私は、台湾が安全・繁栄・尊厳を守ることができるからこそ国際社会で孤立することなく、両岸関係が穏やかに発展できると明確にした。今回の事に対して、中華民国の総統として、国家の尊厳、台湾の安全、人民の権益を守ることは私の責任だ。WHOの今回の行為は明らかに中国当局の圧力を受けた結果だ」と強調した。

馬総統は中国当局に対して、これまでの両岸交流の成果を大切にし、台湾の人々の感情を傷つけ逆戻りするようなことは避けるべきだと主張した。中国との関係改善をはかってきた馬総統が対中強硬姿勢を示すのは異例のことで、来年1月の総統選をにらんだ発言だという見方もある。

(翻訳編集・余靜)
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