湖南など10数省で深刻な電力不足

【大紀元日本5月16日】3月以来、湖南、浙江、江西、重慶、陝西など多くの省市で100万キロワット以上の電力が不足している。電力需要の急増、石炭不足やダムの水位低下による発電設備停止が原因と、電力不足が特に深刻な湖南省の政府関連部門の職員は見ているようだ。

電力不足が蔓延する中国

国家電力監管委員会(電監会)の情報によると、メーデー(五一労働節)前から中国では電力不足が蔓延しており、華中地区は、深刻な状況にあるという。特に、貴州、陝西、河南、山西、湖南、青海などの省では石炭不足により発電設備が稼働停止する事態が現れてきている。ほか湖北、江西、浙江、江蘇、安徽、広東、四川などの各省にも電力不足が広がっている。

湖南省「電力使用制限」で対応

電力不足が最も深刻な湖南省では、現在の1日あたりの電力需要が2億8000万キロワットであるのに対し、供給量は2億キロワットに留まっており、需要の7割程度しかカバーできていない。

湖南省長沙市では深刻な電力不足により今月8日から110本の配電線路で電力使用制限を開始。また同省工業の要地である湘潭市について供電局(電力供給局)が伝えた情報によると、以前、湘潭市に分配された生産用電力は110万キロワット前後だが、今は60万から70万キロワットに減らされたという。

湘潭市街地ではすでに3日から週2回の停電措置が施行されているため、ロウソクは品切れ状態と伝えられている。

同市電力局の電話対応担当者は本紙取材に対し、石炭と水不足による電力不足が深刻なため、住民による電気の使用をできる限り保障する一方、工業に対しては電力使用量の制限、小売業に対しては高圧電力の使用禁止などを要求していると話した。また一部街灯も点灯しないという。

湖南省政府職員:石炭不足が主要原因

「上海証券報」に掲載された同省の電力監管職員の話によると、湖南省の主力発電所10か所の大部分で石炭の在庫量が警戒線以下になっている。全省の発電用石炭の在庫から、一日3万トンが使用されるため、一部火力発電ユニットは稼働不能となり、検査修理の名目で停止を申し入れている火力発電所もあるという。

電力不足は需要の急増や石炭不足、ダム水位低下など多くの要因により引き起こされているが、中でも最大の要因は石炭不足だと同職員が指摘する。現在、湖南省の石炭単価は1トン当たり1100元(約1万3700円)で、昨年に比べ200元上昇した。同省昨年の火力発電企業の損失は14億元に上ると報道されている。

(記者・高紫檀/翻訳編集・坂本)
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