南京市で大規模デモ 参加者「これ以上失うものはない」

【大紀元日本5月17日】15日付の香港紙・明報によると、江蘇省南京市内で12日、経営破たんしたブラウン管生産工場の労働者数千人による、退職金の増額を求めるデモがあった。デモは途中から、物価や不動産の高騰に対して抗議する内容へと変化した。デモ隊は警察と衝突し、負傷者や逮捕者が出たもよう。

そのブラウン管工場には約7000人の従業員がいたが、近年は液晶テレビの普及によって経営が振るわず、事実上の倒産に追い込まれた。従業員らには勤続年数に応じて退職金が支給されるが、その金額は通常の四分の一だという。

あるデモ参加者は「今の退職金では生活できない。もう一文無しになったので、これ以上失うものは何もない」と語り、最後まで闘いを続ける構えでいるという。

デモ隊は市政府庁舎を目指して進んだ。途中、約1500人の警官隊と衝突し、負傷者および逮捕者が多数出たという。警察当局は大型コンテナ車で道路を封鎖。4時間後、デモ隊は解散した。今回のデモにより南京市中心部は一時、交通不能となった。

4月にも上海で、インフレによる生活苦を訴える物流業者らによって、大規模なストライキが起きたばかり。これまで中小都市で多発していた労使紛争によるデモは、今や大都市に広がりつつあり、政府は警戒を強めている。

今回のデモに関するインターネット掲示板の情報は、当局によって即時に削除された。

(翻訳編集・高遠)
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