杭州で河川汚染事故 化学薬品流出で 当局は貯水を緊急通告

【大紀元日本6月9日】水の都・浙江省杭州市周辺では飲用水源の化学物質汚染事件が2件連続して発生し、55万人の飲用水に影響をもたらした。現地の学校が一部閉鎖となり、住民が水の買占めに走り、スーパーの水が在庫切れの状態になっている。

地元紙・銭江晩報によると、4日夜11時頃、31トンの有機化合物フェノールを積載した大型トラックが杭新景・高速道路で交通事故を起こし、タンクが破裂してフェノールが大量に漏出した。事故当時、大雨が降っていたため、約21トンの劇物フェノールが大河・新安江に流入した。

新安江は杭州市などの都市の生活用水の主要供給源であるため、事故発生後、当局は約50万人の住民の生活用水を提供する5つの水工場の給水口を一時閉鎖し、汚染された川の水を薄める対策として、同河川の上流のダムの排水量を増やした。

同汚染事故が発生してから約36時間後の6日早朝、杭州市政府当局は緊急通達を出して、市民に対して、早急に各種の容器で水を貯めるよう通告した。

その直後、杭州市内のスーパーでは、水を大量購入する市民が長蛇の列を作り、在庫切れが相次いだ。

同河川流域の建徳市当局も緊急通告を出して、新安江から飲用水を採取しないよう、また河の中の死んだ魚介類を食べないよう通告した。

大規模な水の買占めが発生した後、杭州市長が浄水場を視察した際に、政府は市民の飲用水の安全を十分に保障できると強調し、市民に冷静な対応を呼びかけた。インターネット上では、政府が貯水を呼びかけながら、水の安全をアピールしているので、どうすればいいかわからない、との内容の書き込みが多数寄せられて、飲用水を提供できないとして授業を中止する学校が相次いだ。

一方、5日、杭州市周辺でもう1つの飲用水汚染事件が発覚した。杭州市と浙江省の他の地区の飲用水の水源となる苕渓河から、ベンゼンとその他の9種類の化学物質が検出された。水道水には防虫剤としても使われる樟脳の臭いがするとの苦情が多数寄せられたことで、関連の政府機関が調べた結果、汚染を確認できた。汚染源は苕渓河上流の臨安青山湖・工業団地であることが判明した。

同団地内の工場はいま、化学物質の排出が一時禁止され、地域内の学校は火曜日から3日間閉鎖することになった。

当局は、これらの化学物質の濃度は人体に危害をもたらすレベルに達していない、としている。

(翻訳編集・叶子)
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